同じ悩みを抱える人の力になりたい
編集部
今までを振り返ってみて、後悔はありますか?
モエだもんさん
早く受診はしたものの再発してしまい、治療が長引いていることを後悔しています。若くして治せていれば骨粗しょう症が進行することもなかったし、きっともっとおいしいものや経験と巡り会えているのではないかと思います。「食べられない」ことは、人間関係を作る上でも障害になることが多く、ストレスがたまることもあるので、若いうちにきちんと治せていればよかったという思いが強いです。
編集部
現在の体調や生活はどうですか?
モエだもんさん
現在も低体重治療中です。骨粗しょう症も進行しないように気を付けているところです。ただ、摂食症で食や体への興味関心が強まったことや、同じ思いをする人を1人でも減らしたいという思いから、パーソナルトレーナーの資格を取得してトレーナーとして活動したり、自身のSNSでありのままの姿を発信したりしています。自分が苦しんでいるからこそ、もうこれ以上苦しむ人が増えないように、今苦しんでいる人も一緒に回復して楽しい人生を歩めるように私自身の経験を活かしていけたらと思っています。
編集部
医療機関や医療従事者に望むことはありますか?
モエだもんさん
最近の心療内科では新規の患者さんを対象とした病院が少なかったり、新規の患者さんを受け付けていても予約がかなり取りにくかったりもします。病院にかかりたいのにかかる病院がない、助けてほしいのに助けの手を伸ばせない、そのような環境をなくせる仕組みがつくられれば、早いうちに救えるケースもたくさんあるのではないかと思います。どうか1人でも多くの人が苦しみや悩みから救われる環境、仕組みが整えられますようにと願っています。
編集部
最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。
モエだもんさん
最近はインターネットなどで「痩せ薬」などの情報が流れてきますし、薬を使って食欲を落とし、無理に痩せるダイエットも流行っています。「痩せたい」「可愛くなりたい」という願望は多くの人が持っているもので、否定するつもりはありませんが、よく知らないまま試して健康を害してしまう人が増えているような印象です。しかし、低体重は気づいたときには、自分が想定しているよりも深刻化して後戻りできなくなっていることもある恐ろしいものです。身体も心もボロボロになってしまいます。私のような経験をする人が1人でも少なくなってほしいし、私たちの周りから「痩せ信仰」がなくなることを願っています。
編集後記
摂食症は「食べられない」という行動の問題だけではなく、体型への強い不安や恐怖、自己評価の揺らぎなど、心の問題が深く関係する病気です。モエだもんさんの体験からは、治療の過程での葛藤や再発の苦しさだけでなく、「食べられることの喜び」を少しずつ取り戻そうとする姿勢も伝わってきます。近年はSNSやインターネットを通じて、過度なダイエットや痩身を勧める情報に触れる機会も増えています。しかし、過度なダイエットは骨粗しょう症など将来にわたる影響を残すこともあります。もし食事や体重のことで悩みを抱えている場合は、ひとりで抱え込まず、家族や医療機関などに相談してみてください。モエだもんさんの経験が、同じ悩みを抱える人にとって「助けを求めてもいい」と思えるきっかけになれば幸いです。
なお、メディカルドックでは病気の認知拡大や定期検診の重要性を伝えるため、闘病者の方の声を募集しております。皆さまからのご応募お待ちしております。
記事監修医師
諌山 博之(医師)
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。
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