老老介護は「介護する側」の不眠・疲労が在宅生活を揺るがす? 訪問診療でできることを医師が解説

老老介護は「介護する側」の不眠・疲労が在宅生活を揺るがす? 訪問診療でできることを医師が解説

相談のタイミングは?

相談のタイミングは?

編集部

訪問診療は、どのタイミングで相談するのがよいのでしょうか?

内田先生

通院ができなくなってからではなく、「負担が大きくなってきた」と感じた段階で相談するのが理想です。転倒リスクが高い、付き添いが大変、受診のたびに数日疲れが残るといった状態は、相談のタイミングと考えてよいでしょう。

編集部

相談するのに、具体的な目安はありますか?

内田先生

相談の目安としては、大きく2つあると考えています。1つは、要介護認定を受けたときです。特に要介護1は、「要介護認定等基準時間が32分以上50分未満又はこれに相当すると認められる状態」とされ、食事や入浴などで支援が必要になることがあります。その段階になると、自力で外来へ通うことが難しくなってくることも多いので、訪問診療を考えるタイミングと見てよいでしょう。もう1つは、介護される側が入院したときです。入院をきっかけに体力や生活機能が落ち、その後の通院が負担になることもあるため、訪問診療を考える1つのタイミングになります。

編集部

介護する家族がつらいと感じたときも、相談してよいのでしょうか?

内田先生

もちろんです。家族が疲弊している時点で、在宅療養の支え方を見直す必要があります。介護者の健康や社会生活を守ることは非常に重要であり、支援が遅れると介護の質低下や深刻な問題につながりかねません。本人の症状だけでなく、「家族が限界に近い」と感じたら、相談のタイミングと考えてよいでしょう。

編集部

すぐに相談した方がよいケースはありますか?

内田先生

あります。退院後も医療管理が続く人、服薬や栄養管理が複雑な人、再入院リスクが高い人、認知症や心不全などで状態が変わりやすい人では、早期から在宅医療を見据えることが重要です。

編集部

どこに相談すれば、訪問診療につながりやすいでしょうか?

内田先生

まず、介護保険を利用している人であれば、ケアマネジャーに相談するのがよいでしょう。一方、どこに相談したらよいかわからない場合は、子どもや兄弟、親族など身近な人に相談することから始めても構いません。これまでは地域包括支援センターなどが紹介の窓口になることも多くありましたが、今後は訪問診療を希望する人がさらに増え、自身でインターネットやホームページを見て選ばなければならない場面も増えていくと思います。訪問診療は、症状や状態が悪化してから始めるものではなく、「まだ、早いかな?」という段階から準備しておくことでスムーズに移行できます。そのため、インターネットを使うことができる人は早めに情報を集めておく、そうでない人はまずは近しい人に相談してみるなど、何らかのアクションを起こすことを意識しましょう。

編集部

最後に、メディカルドック読者へのメッセージがあれば。

内田先生

訪問診療は、通院が難しくなってから初めて検討するのではなく、まだ外来へ通えている段階で一度相談しておくことをおすすめします。実際には、体調が悪化してから急いで導入を考える人も少なくありませんが、早めに情報を得ておけば、必要になったときにスムーズに在宅医療へ切り替えることができます。また、外来通院を続けているうちに、将来訪問診療をお願いできる医療機関を探しておくことも、将来の備えとしては有効といえるでしょう。訪問診療では病気の管理だけでなく、「ご本人がどこでどのように過ごしたいのか」「家族がどの程度介護を担えるのか」といった希望や生活背景も踏まえて支援方針を考えていきます。早い段階から医療者と今後の療養について話し合い、無理のない在宅療養につなげていきましょう。

編集部まとめ

訪問診療は、「必要になってから調べれば大丈夫」と思いがちですが、元気なうちに情報を集めておくことが安心につながります。今すぐ利用しなくても、将来の選択肢を知っておくことで、いざというとき慌てずにすみそうですね。

配信元: Medical DOC

提供元

プロフィール画像

Medical DOC

Medical DOC(メディカルドキュメント)は800名以上の監修ドクターと作った医療情報サイトです。 カラダの悩みは人それぞれ。その人にあった病院やクリニック・ドクター・医療情報を見つけることは、簡単ではありません。 Medical DOCはカラダの悩みを抱える方へ「信頼できる」「わかりやすい」情報をお届け致します。