猫にとって危険な『腎臓病』の知識4つ 早期発見が難しい理由や予防のポイントまで解説

猫にとって危険な『腎臓病』の知識4つ 早期発見が難しい理由や予防のポイントまで解説

︎腎臓の役割

腎臓

腎臓には大きく2つの役割があります。1つ目は体内を巡る血液の中にある老廃物を濾過して綺麗にする役割、2つ目は血液を作るための指令を出す「造血ホルモン」を出す役割です。

よって、腎臓の機能が落ちると老廃物が処理されずに体内を巡ってしまったり、血液が作られなくなり貧血になったりします。

︎猫の腎臓病について知っておきたい知識4選

猫と聴診器

1.急性と慢性がある

猫の腎臓病には、急激に症状が進行する急性腎不全と徐々に症状が進行していく慢性腎不全があります。

若い猫が腎臓病の症状を示した場合、尿路閉塞や中毒などによる急性腎不全が疑われ、この場合迅速な治療を行わなければ数日で命に関わることも少なくありません。

それに対して、高齢の猫が加齢に伴い、数年単位で徐々に腎機能が落ちていく場合は、慢性腎不全が疑われ、すぐに命に関わる事はありませんが、治療をしても少しずつ症状は重くなっていきます。

2.ほとんどの猫が腎臓病になる

猫の8割は生涯のうちで腎臓病になると言われるほど、猫にとって腎臓病は避けては通れない、大きな健康問題のひとつです。

なぜ猫では他の動物に比べてここまで腎臓病が多いのか、その原因として、これまでは猫が肉食動物でありタンパクを多く含む食事をしていることが原因とされてきました。タンパク質は消化の過程で老廃物が出やすく、それが腎臓に負担をかけるためとされてきました。

しかし、最新の研究で猫の腎臓は、先天的に血液中の老廃物を掃除する役割が他の動物に比べて弱いことが分かってきました。その核となるのが「AIM」という物質で、「AIM」は老廃物に貼り付く「粗大ゴミシール」のようなものです。腎臓ではこのシールが老廃物に貼られる事で、掃除屋である「貪食細胞」が老廃物を食べて綺麗にしてくれる事で血液を綺麗にしています。

猫はこの「粗大ゴミシール」である「AIM」が元々他の動物に比べて極端に少ない事で、ゴミである老廃物が蓄積され、腎臓に負担がかかる事で腎臓病になりやすいと考えられています。

3.早期発見が難しい

猫の腎臓病のステージには1〜4の段階があります。ステージ2までは腎機能が50%失われた状態であるにも関わらず、はっきりとした症状は現れません。この時の初期症状として多いのは多飲多尿(飲水量と尿量が増える)ですが、この段階で気がつき動物病院を受診される飼い主さんは極めて少ないです。

ステージ3になると腎機能の75%が失われ、この頃になると食欲不振や嘔吐などのはっきりとした症状が現れます。多くの飼い主さんがステージ3になった時に初めて動物病院を受診して、慢性腎臓病と診断されることが多いのが現状です。

4.腎臓病が治る!?新薬の開発が進行中

最新研究により、猫には先天的に「AIM」が少ない事で腎臓病になりやすいと明らかになり、その事から「AIM」を強制的に体外から取り入れる事で老廃物を処理できるようにする治療法が、開発途中の段階です。

一昔前までは猫の腎臓病は一度悪くなると回復することがなく、進行を遅らせることが治療の中心である不治の病とされていましたが、この新薬「AIM」が実用化されると、猫の腎臓病は治る病気になり、寿命は大幅に伸びるのではと注目を集めています。

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