猫に危険な食材4選
身近な食材の中には、猫にとって命にかかわる危険なものがたくさんあります。ここでは食卓にあがることがあるものを中心に、とくに注意したい4つの食材を紹介します。
1.ねぎ類
使用頻度の高い玉ねぎやニンニク、ニラなどのねぎ類には、猫にとって有害な「有機チオ硫酸化合物」という成分が含まれています。猫が誤って摂取すると、赤血球が破壊され溶血性貧血を引き起こし、急性腎障害の原因にもなります。
おもな症状は、血色尿や嘔吐・下痢、呼吸困難です。摂取後すぐではなく、数日経ってから症状があらわれるケースもあるため、しばらくは注意深く様子を観察することが大切です。
正確な中毒量はわかっていませんが、猫では体重1kgあたり約5gの玉ねぎで中毒症状があらわれたという報告があります。
なお、有機チオ硫酸化合物は熱に強く、加熱しても毒性は失われません。また、水にも溶け出すため、ねぎ類を使用した煮込み料理の煮汁などにも注意が必要です。
2.生の甲殻類やイカ
生の甲殻類(エビ、カニなど)やイカは、「チアミナーゼ」というビタミンB1を分解する酵素が含まれています。そのため、生の状態で大量に、あるいは継続的に摂取すると、ビタミンB1欠乏症を引き起こすおそれがあります。
ビタミンB1が不足すると、初期には食欲不振や嘔吐がみられ、症状が進行すると、ふらつきや歩行障害などの神経症状があらわれることがあります。
チアミナーゼは熱に弱いため、与える場合は必ず加熱したものにしましょう。
なお、スルメは胃の中で水分を吸収して大きく膨らみ、胃や腸に詰まるおそれがあります。そのため、加熱の有無にかかわらず与えないようにしてください。
3.貝類
貝類にも生の状態では「チアミナーゼ」が含まれており、甲殻類と同様にビタミンB1欠乏症を引き起こすおそれがあります。中でもハマグリは、チアミナーゼの含有量が多いとされる貝のひとつです。
また、アワビやサザエの内臓には「ピロフェオホルバイドa」という光感作物質が含まれることがあり、摂取すると光線過敏症を引き起こします。とくに、2〜5月頃のアワビの内臓は注意が必要です。耳介や鼻、まぶたなど毛の少ない部位に炎症が起こり、重症化すると皮膚が壊死する場合があります。
ピロフェオホルバイドaは加熱しても毒性は変わりません。アワビやサザエは加熱の有無にかかわらず与えないようにしましょう。
4.ユリ根
ユリ根はユリ科の植物の球根で、猫にとってはごく少量でも命にかかわる危険な食材です。ユリ科の植物は、花や葉、茎、球根など全体に強い毒性があるとされていますが、どの成分が中毒を引き起こすのかは現在も明らかになっていません。
猫がユリ根を摂取すると、数時間以内に嘔吐や食欲不振があらわれるほか、元気消失やふらつきなどの症状が見られます。その後、急性腎不全へ進行し、命にかかわるケースも少なくありません。
ユリ根は食卓に並ぶ機会は多くありませんが、おせち料理や茶碗蒸しに使われることのある食材です。少量でも危険なため、猫が誤って口にしないよう注意しましょう。
誤飲したときの対処法
猫が危険な食材を誤って口にしてしまった場合は動物病院を受診しましょう。何を、いつ、どのくらいの量を食べたのかを確認し、残った食材や包装があれば、受診時に持参すると診断の参考になります。
塩水を飲ませたり喉を刺激したりして無理に吐かせると、誤嚥や粘膜の損傷につながるおそれがあるため、自己判断で吐かせようとするのはやめましょう。
また、中毒が疑われる場合は時間との勝負です。症状があらわれていなくても、様子を見ずに動物病院を受診してください。
猫の誤食はいつ起きるかわかりません。診療時間外や休診日に備えて、救急診療に対応している動物病院を事前に確認しておくと安心です。

