女優の見上愛が一ノ瀬りん、上坂樹里が大家直美という2人のヒロインを演じるNHK連続テレビ小説「風、薫る」(総合)の第19週「黎明の翼」(第91~95回)が3日から始まる。第18週「岐路にて」では、りんが看護婦として成長する物語ではなく、「人の命に触れる怖さ」と向き合い、一度失いかけた看護への思いを取り戻していく過程が描かれた。一方、直美は「誰もが医療を受けられる社会」を目指して恵風看護婦会を立ち上げるも、理想だけでは乗り越えられない現実の壁に直面。シマケンこと島田健次郎(Aぇ! group・佐野晶哉)も、りんへの思いを自覚しながら、自分の気持ちを言葉にしようとする一歩を踏み出した。
第19週では、そんな3人が抱えてきた迷いや恐れが、赤痢という大きな試練の中で試されることになる。かつて那須でコレラの大流行に直面し、救えなかった命への後悔を抱えたりんが、看護婦としてどのように現実と向き合うのか注目される。
朝ドラ「風、薫る」第19週「黎明の翼」(第91~95回)見所
りんが高越女学校の寮に戻ると、黒川病院の医師・黒川勝治(平埜生成)が待っていた。黒川は、赤痢が発生した村へ向かうため、りんに同行してほしいと頼む。人の命に触れることへの恐怖を口にしていたりんは、悩みながらも現場へ向かう決意をする。しかし、村では避病院への恐怖から、住民たちは看護や医療を受け入れようとしない。
感染症という未知の恐怖だけでなく、人々の不安や偏見とも向き合うことになるりん。第19週は、かつての経験を乗り越え、「看護婦・一ノ瀬りん」として新たな一歩を踏み出す転機となりそうだ。
朝ドラ「風、薫る」第18週「黎明の翼」ストーリー展開【振り返り】
第18週では、看護婦として生きる道に迷うりんと、新たな看護の形を作ろうと奮闘する直美、それぞれが「岐路」に立つ姿が描かれた。
【以下、ネタバレ】
帝都医大病院を退職した直美は、誰もが医療を受けられる社会を目指して「恵風看護婦会」を立ち上げるが、理想だけでは人々の信頼を得ることは難しく、依頼はなかなか増えない。派出看護という新しい仕組みを広げようとするなか、直美は現実の厳しさに直面する。
一方、新潟・上越の高越女学校で舎監を務めるりんは、患者の命に触れることへの恐怖を抱えていた。黒川から看護婦取締として働かないかと誘われるも、自信がないと断る。
そんななか、学校で生徒が倒れる。りんは一瞬動揺し、手を震わせるものの、深呼吸して気持ちを落ち着かせ、冷静に看護にあたる。その姿を見た黒川は、りんが変わらず看護婦としての力を持っていることを確信する。
また、新聞記者の横沢公輔(井上祐貴)は、りんへの取材を通じて、その生き方や看護への姿勢に興味を抱く。警官に楯突いたことで監獄署に入れられた横沢は、りんに面会を求める手紙を送る。周囲が面会に反対するなか、シマケンから届いた「『舎監らしく』『先生らしく』ではなく…。りんさんらしくいるのが、ずっといとしげのように思います」という言葉に背中を押されたりんは、監獄署へ。そこで横沢は突然「結婚しませんか? 私と結婚してください」とプロポーズ。しかし、りんは「しません、えっ、しません、しませんよ!」と即座に断る。
その後、直美は派出看護婦会がうまくいかない理由を、自身の生まれのせいではないかと悩む。仕事を手伝う柳田しのぶ(木越明)から「りんさんがいてくれたら…」と言われ、りんなら「心に触れる看護ができる」と認めながらも、自分から新潟へ送り出した手前、迎えに行く決心がつかなかった。しかし、軍人の小川吾郎(甲斐翔真)から「自分なら、どうしたらいいかを考える援軍を呼びます」と助言され、直美は新潟へ向かう決意を固める。
新潟を訪れた直美、環(英梨)、シマケンは、久しぶりにりんとの時間を過ごす。そのなかで、りんは看護への思いについて直美に語る。「病気やけがの人を助けたいって気持ちは変わらない。それで生きていけるのはすばらしいことだと思う」。そう話す一方、りんは「怖いんだと思う。人の命に触れるのが」と本音を漏らす。
看護婦としての情熱を失ったわけではなく、りんは、ただ命を預かる責任の重さを知ったからこそ、怖さを感じていた。そして、第19週では、その恐怖と真正面から向き合うことになる。

