5年生存率を上げるためには?
編集部
5年生存率を上げるためには、何が重要なのでしょうか?
澤野先生
できるだけ早い段階、特に0期やⅠ期での発見が不可欠です。膵臓がんは症状が出てからでは進行しているケースが多いため、症状がなくても専門的な検査を受けて早期発見を目指すことが大切です。
編集部
早期発見の手がかりになる画像所見には、どのようなものがありますか?
澤野先生
膵のう胞、主膵管や分枝膵管の拡張・狭窄・途絶、膵臓の限局的な萎縮やくびれ、MRI検査での拡散強調像高信号などが挙げられます。がんそのものが見えない段階でも、こうした所見が手がかりになります。小さな変化を見逃さず評価することが大切です。
編集部
膵臓を詳しく調べるには、どのような検査が必要になるのでしょうか?
澤野先生
MRI-MRCPや造影CT、必要に応じて超音波内視鏡検査(EUS)などを組み合わせて評価します。CTでは膵臓全体や周囲への広がりを確認し、MRI-MRCPでは膵管や胆管の変化を詳しく確認します。また、EUSは胃や十二指腸の内側から膵臓を近い距離で観察できるため、小さな病変の評価にも用いられます。こうした画像検査は、通常の健康診断や人間ドックではなく、膵臓ドックや膵臓を専門とする外来などで行われる傾向にあります。
編集部
最後に読者へのメッセージをお願いします。
澤野先生
膵臓がんは、早期では症状がほぼありません。しかし、膵のう胞や膵管拡張、糖尿病の急な悪化など、早期発見の手がかりとなる変化がみられることもあります。膵臓がんは早く見つけるほど治療の選択肢が広がるため、まずは一度、近くの膵臓を専門とする外来などにご相談ください。
編集部まとめ
膵臓がんは、早期とされるⅠ期で発見された場合でも、5年生存率は42%と報告されており、ほかのがんと比較しても厳しい経過をたどるがんといわれています。また、症状が出にくく、発見時には進行しているケースも少なくありません。そのため、膵管拡張や膵のう胞(すいのうほう)、糖尿病の急な悪化など、小さな変化を見逃さず、必要に応じて膵臓を専門とする外来や膵臓ドックで詳しく評価していく必要があります。

