内視鏡検査が「つらい人・つらくない人」の違いとは? 苦痛を減らす工夫を医師が解説

内視鏡検査が「つらい人・つらくない人」の違いとは? 苦痛を減らす工夫を医師が解説

「内視鏡検査は痛い・苦しい」というイメージから、検査をためらっている人は少なくありません。しかし、苦痛の感じ方には個人差があり、鎮静剤やのどの麻酔の使用、細いスコープや経鼻内視鏡の選択、下剤の飲み方の工夫などによって、負担を軽減しやすくなります。検査のつらさは医師の挿入技術によっても大きく変わります。内視鏡検査の苦痛の正体と、楽に受けるための具体的な工夫について、東京下町おなか内視鏡クリニック 葛飾金町院院長の三井先生に聞きました。

※2026年6月取材。

三井 智広

監修医師:
三井 智広(東京下町おなか内視鏡クリニック 葛飾金町院)

2014年3月に昭和大学医学部(現・昭和医科大学医学部)を卒業。2014年4月から横浜市立みなと赤十字病院で臨床研修を行い、横浜南共済病院消化器内科、横浜市立大学附属市民総合医療センターIBDセンター・内視鏡部、国立がん研究センター東病院消化管内視鏡科、埼玉県立がんセンター内視鏡科医長を経て、2025年4月に東京下町おなか内視鏡クリニック 葛飾金町院へ入職した。

内視鏡検査は何が苦痛?

内視鏡検査は何が苦痛?

編集部

内視鏡検査は、何が一番つらいと感じやすいのでしょうか?

三井先生

内視鏡検査の苦痛は、検査の種類によって異なります。胃の内視鏡検査では、のどを通るときの違和感や吐き気をつらく感じやすい傾向があります。大腸の内視鏡検査では、腸をふくらませるための空気やガスによる張り感、カメラが腸の曲がり角を通る際の圧迫感が負担になりやすいとされています。

編集部

胃の内視鏡検査で「オエッとなる」原因は何でしょうか?

三井先生

内視鏡が舌の奥からのどを通る際に、咽頭(いんとう)反射が起こりやすくなるためです。この反射が強い人ほど、えずきやすさや不快感が出やすくなります。緊張が強いと体に力が入り、余計に苦痛を感じやすくなります。

編集部

大腸内視鏡検査の苦痛は、なぜ起こるのでしょうか?

三井先生

腸の形には個人差があるためです。腸が長い人や癒着(ゆちゃく)がある人、曲がりが強い人などは、スコープの通過時に張り感や圧迫感が出やすい傾向にあります。また、検査前には腸の中をきれいにするため、大量の下剤を飲まなくてはなりません。下剤の量や味がつらいと感じる人も少なくありません。

編集部

「内視鏡検査は痛い」「つらい」と感じる人と、そうでもない人がいるのはなぜでしょうか?

三井先生

感じ方には個人差があります。咽頭反射の強さや不安感、過去の経験、体格や腸の形、炎症の有無などの要因に加え、術者の技術やスコープの太さ、鎮静の有無などが関係するためです。同じ検査を受けても「少し違和感がある程度」の人もいれば、「かなりつらい」と感じる人もいます。苦痛を一律に考えるのではなく、一人ひとりに合った方法で負担を減らす工夫が大切です。

苦痛を抑えるための工夫

苦痛を抑えるための工夫

編集部

内視鏡検査の苦痛を抑えるためには、どのような工夫がありますか?

三井先生

代表的なのは鎮静剤の使用です。鎮静剤を使うと不安や緊張が和らぎ、検査中の不快感を軽減しやすくなります。胃の内視鏡検査では、のどの麻酔を併用して咽頭反射を抑える方法も一般的です。鎮静や局所麻酔をうまく活用し、なるべく楽に受けられるよう調整することが苦痛対策の基本です。なお、鎮静剤を使用すればリラックスしやすくなるものの、それでも途中で苦しさを感じるケースはあります。

編集部

そのほか、医療機器の面で苦痛を抑える工夫はあるのでしょうか?

三井先生

はい。現在は細いスコープが使われるケースも多く、以前より体への負担は軽減されています。胃の内視鏡検査の場合、医療機関によっては経口だけでなく経鼻内視鏡(鼻から挿入する内視鏡)を選べるケースもあり、えずきやすい人の負担を軽減できる場合があります。不安が強い人は、あらかじめ苦手な点を医師へ伝えておくとよいでしょう。

編集部

大腸内視鏡検査では、どのように苦痛を減らすのでしょうか?

三井先生

腸になるべく負担をかけずにスコープを挿入します。これには、術者の経験や技術が大きく関わります。実際には、軸保持短縮法やループ法(※)などいくつかの挿入方法があり、腸の形や状態によって一人ひとりに合う方法を選ぶことで負担を軽減できる可能性があります。安心して受けるためには、内視鏡検査の実施件数や体制を確認できる医療機関を選ぶとよいでしょう。

※軸保持短縮法やループ法:大腸内視鏡を挿入する際の手技

編集部

大腸内視鏡検査の前に飲む下剤の量が多くてつらい場合、どうすればよいでしょうか?

三井先生

飲み方を工夫することで、下剤のつらさを軽減できる場合があります。例えば、下剤を冷やすと飲みやすく感じる人も少なくありません。医療機関によっては飲みやすいよう複数の種類を用意しており、味が選べるところもあります。自宅ではなく病院で飲む方法を選べば、看護師が状態を確認しながら進めるため、体調の変化にも対応しやすくなります。腸の中がきれいになった時点で服用を終了したり、合わないときには別の下剤を試せることもあります。

配信元: Medical DOC

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