「ポンコツ」「人間のくず」横浜市長のパワハラ認定も辞任否定…暴言連発でも失職しない理由

「ポンコツ」「人間のくず」横浜市長のパワハラ認定も辞任否定…暴言連発でも失職しない理由

●辞めさせる方法は2つある

仮にこの報告書で認定されている事実に基づき、市長を辞職させたいのであれば、以下のような手段が考えられます。

まず、不信任決議(地方自治法178条)です。

不信任決議は、議員の3分の2以上が出席し、その4分の3以上が同意すると可決されます(同条3項)。市長は10日以内に議会を解散でき(同条1項後段)、解散しなければ失職します(同条2項)。

また、議会を解散した場合でも、新しい議会で再度不信任(今度は過半数)となった場合にも失職します。

次に、市民が行うリコール(解職請求)です。

これは、有権者の署名を集めて請求し、住民投票で過半数の同意があれば市長は失職します(同法81条、83条)。横浜市の有権者はおよそ310万人(2026年6月1日現在。横浜市公式サイトより)で、リコールに必要な署名はおよそ49万人分です(地方自治法81条)。

リコールは就任から1年間は請求できません(同法84条)。市長の2期目は2025年8月30日に始まったので、8月末までは請求できません。

いずれもハードルは高く、報告書が出たから市長が辞める、という関係にはありません。

●では、報告書に意味はないのか

法的な強制力がないとしても、この報告書は、市長の責任を問う材料としては非常に強い材料だと思います。

そもそも市長の地位は、住民の信任に基づくものです。その信任が失われたかどうかを決めるのは、法的な制裁ではなく、政治の手続きである、というのが基本的な考え方です。

パワハラの訴えは「言った・言わない」で終わることが多いものです。今回は弁護士3人が聞き取りとアンケートで調べ、市長が否定していた言動まで事実と認定しました。市会や有権者が判断するうえで、この報告書は非常に有効といえます。

小倉匡洋(弁護士ドットコムニュース編集部記者・弁護士)

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