【ワインvsビール・蒸留酒】死亡リスクに明暗…18万7000人・21年追跡で分かった「量」の境界線を医師が解説

【ワインvsビール・蒸留酒】死亡リスクに明暗…18万7000人・21年追跡で分かった「量」の境界線を医師が解説

内容への受け止めは?

編集部

ノルウェー公衆衛生研究所の研究員らが発表した内容への受け止めを教えてください。

中路先生

本研究は大規模かつ長期にわたる追跡調査であり、飲酒と死亡リスクの関係を考える上で大変有用な報告と受け止めています。ただし、あくまで観察研究であり、「ワインを飲むと長生きする」というような因果関係を証明したものではない点には注意が必要と考えます。むしろ、少量のワインを楽しむ人には、食事とともにゆっくり飲む、休肝日を設けるといった生活習慣が身についている場合が多いと推察されます。そうした背景要因が、死亡率の低さに影響している可能性も考えられます。そのため、「ワインそのものが体によい」と単純に捉えるのではなく、「節度ある飲み方ができる人は健康を保ちやすい」と読み解くのが自然でしょう。

日常の診療でも、「少量のお酒は体によいと聞いたので」と話す患者さんに少なからず出会います。今回の結果は一見そうした印象を後押しするようにも見えますが、私がとりわけ注目すべきだと考えるのは、20杯以上でハザード比が1.44まで上昇している点です。少量域での差はわずかである一方、摂取量が増えるとリスクの上昇は明確であり、酒の種類にかかわらず、特にアルコール関連疾患による死亡リスクは確実に高まると考えます。

つまり、この研究から受け取るべきメッセージは「種類よりもまず量」だと考えています。ワインを選べば安心というわけではなく、自分にとっての適量を知り、飲む前に「今日は何杯まで」と決めておく、水と交互に飲む、週に数日は飲まない休肝日をつくる、といった工夫が重要です。この結果を、お酒を飲まない人に飲酒を勧める根拠とすべきではないという点も改めて認識しておきたいと思います。研究結果を「安心材料」としてではなく、自身の「飲み方を見直すきっかけ」として受け止めてもらえればと思います。

編集部まとめ

今回の研究では、少量の飲酒、特にワインを日常的に楽しむ習慣が、死亡リスクの低さと関連することが分かりました。とはいえ、お酒は量を守ってこそ健康に生かせるものです。厚生労働省が目安とする1日純アルコール約20gを意識しながら、自身の体調や年齢に合わせて、無理のない範囲でお酒と付き合っていきましょう。

配信元: Medical DOC

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