30年間ほど、地方で鉄工所をひとりで経営してきました。しかし13年前、妻の父が胃がんを患い、その後すぐに妻の母も脳梗塞(のうこうそく)で倒れました。妻は懸命に両親の介護を続け、私も仕事の合間を縫って支えていました。
家族のピンチが重なり限界に
ところが、無理がたたって今度は妻自身が倒れてしまい、私は仕事をしながら、妻と義両親の世話をすることになりました。仕事と介護の両立は想像以上に厳しく、やがて自分の両親も高齢者施設に入所することになり、心労が重なっていきました。
次第に精神的に追い詰められ、ある日、自分でも信じられないほど気持ちが沈み込み、病院でうつ病と診断されました。さらに、仕事も激減し、長年続けてきた鉄工所を閉じざるを得なくなりました。
生活のために再就職しましたが、うつ状態を抱えながらの職場環境は厳しく、周囲との人間関係もうまくいかず、ハラスメントのような言動も受け、孤立していきました。
まさかの転落事故に…
そんなある日、自宅工場での作業中に脚立から転落し、意識不明のまま集中治療室(ICU)に運ばれました。「もうだめかもしれない」と思うほどの状態でしたが、奇跡的に命を取り留めました。
診断は頸椎損傷。車椅子生活も覚悟しましたが、必死にリハビリに励み、1カ月後には自力で歩けるまでに回復しました。

