アフリカで“新種のサル”発見 唇は鮮やかなオレンジ色 研究者は絶滅危惧種への分類も提案【海外】

アフリカで“新種のサル”発見 唇は鮮やかなオレンジ色 研究者は絶滅危惧種への分類も提案【海外】

 鮮やかなオレンジがかった口元に、全身を覆う黒い毛。コンゴ民主共和国の熱帯雨林で、これまで科学的に知られていなかった新種のサルが確認されました。

 現地で「リクウェリ(Likweli)」と呼ばれるこのサルは、過去75年間にアフリカで確認された新種のサルとして、わずか5例目だといいます。

2008年に撮影された、一風変わったサル

 新種と確認されたのは、コロブス属の「Colobus congoensis(コロブス・コンゴエンシス)」です。研究結果は、2026年7月15日付の学術誌『PLOS One』に掲載されました。

 発見のきっかけは、18年前にさかのぼります。2008年、自然保護に携わる研究者たちがコンゴ民主共和国中央部のロマミ川周辺を調査していた際、一風変わったサルを撮影しました。最初の写真は不鮮明で、体の一部しか写っていませんでした。それでも、研究者たちは既知のサルとは違う可能性があることに気づきます。

 大きな手がかりが得られたのは、それから10年後の2018年11月でした。ルクル野生生物研究財団のフィールド研究者、ジャン・ピエール・カパレ氏が、この謎のサル1匹の撮影に成功。その後10カ月にわたって集中的な監視を続け、さらに7回の目撃例を確認しました。

 研究チームは2018年から2022年にかけて調査を続け、最終的に114件の野外観察を記録しています。

オレンジ色の口元に黒い毛。DNAからも新種と判明

 リクウェリは体重およそ6.8キロほどで、鼻先から尾の先までは約1.2メートル。全身は黒い毛で覆われ、マントのように長い毛や、オレンジがかったクリーム色の口元が目を引きます。尻には白い斑点もあるとのことです。

 鳴き声も独特で、『Scientific American』は、低い唸り声について「カエルや豚の鼻息に少し似ている」と伝えています。

 リクウェリは6頭ほどの小さな群れを作り、うっそうとした森林の樹冠近くで暮らしているとみられています。性格は「静かで警戒心が強い」といい、人間と遭遇してもすぐ逃げるのではなく、さらに高い枝へ登って、じっと観察することがあるそうです。

 研究者たちは野外観察だけでなく、狩猟者から押収された成体3頭の皮膚や骨格、組織を詳しく分析。頭蓋骨や歯、毛皮、骨格などを博物館に収蔵されている既知のアフリカ産コロブスザルと比較したところ、リクウェリには明確な違いが確認されました。

 さらにDNA解析でも、独自の進化系統に属することが判明。最も近縁なのは、西中央アフリカに生息するブラックコロブス(Colobus satanas)ですが、両者は約400万~500万年前に共通の祖先から分岐したとみられています。

 リクウェリが属するコロブス属は、西・中央アフリカに分布するサルの仲間です。手の親指が退化しているため、指が4本という特徴があります。

 新種の学名「Colobus congoensis」の種小名は、コンゴ盆地にちなんだもの。研究者によると、この名前には同地域の豊かな生物多様性をたたえる意味が込められているとのことです。

配信元: ねとらぼ

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