生息域は約1700平方キロ 絶滅になるかもしれない懸念
新種発見という明るいニュースの一方で、研究者たちはリクウェリの将来を懸念しています。
生息域に隣接する52の村で聞き取り調査を行ったところ、このサルを知っていた住民がいたのはわずか8村でした。地元の人々は周辺に生息する霊長類について幅広い知識を持っているため、この結果からも、リクウェリが非常に限られた地域に暮らす、人目につきにくいサルであることがうかがえます。
推定される生息域は約1700平方キロ。既知の生息域の大部分はロマミ国立公園内にありますが、周辺では狩猟や農地開発に伴う森林の減少が脅威となる可能性があります。
こうした状況を踏まえ、研究者たちは国際自然保護連合(IUCN)に対し、リクウェリを「絶滅危惧種」に分類するよう提案しています。
しかも、詳しい生態はまだ謎です。何を食べ、どのように暮らし、どの程度の個体数が残っているのかなど、分かっていないことが少なくありません。研究チームは今後、ゲノム解析などを進め、このサルがアフリカの霊長類の進化の中でどのような位置を占めているのかを詳しく調べる考えです。
研究に参加したルクル野生生物研究財団の保全科学者ジョン・A・ハート氏は、コンゴ盆地について、哺乳類の発見という点で世界に残された数少ない未開拓地域の一つだと指摘。科学的な調査が行われてきたエリアでさえ、まだ新種が見つかる可能性があるとしています。
長年、人知れず森林の高い場所で暮らしてきたリクウェリ。新種の発見はコンゴ盆地の豊かな生物多様性を改めて浮き彫りにすると同時に、その環境を守ることの重要性も突きつけています。
参考
EurekAlert!「CUNY Graduate Center research helps confirm discovery of new African monkey species」
Smithsonian Magazine 「Meet the Orange-Lipped ‘Likweli’ Monkey, a New Species That Was Discovered in the Congo Rainforest」

