以前お付き合いしていた彼は、「気持ちは言葉ではなく行動で示すもの」という考えの持ち主でした。一方の私は、たまには「好き」というひと言で安心したいタイプ。そんな価値観の違いを痛感した出来事です。
「好き」と言ってほしかっただけなのに…
その日は久しぶりのデートでした。
朝からあまり体調は良くなかったものの、楽しみにしていた約束だったので予定通り出かけることに。デート中は普段と変わらず他愛もない会話をしていましたが、体調のせいか少し気持ちが不安定になっていた私。
そのときの私は、安心できる言葉がほしかったのかもしれません。彼の顔を見て、何気なく聞いてみました。
「ねえ、私のこと好き?」と。
すると彼は突然黙り込み、少し考えるような表情を浮かべました。私はすぐに「好きだよ」と返ってくるものだと思っていたので、その反応に思わず戸惑ってしまいました。
そして、彼は静かにこう言いました。
「何でそんなこと聞くの? わざわざ時間を作って会ってるんだから、それでわかるでしょ」
その言葉を聞いた私は、思わず言葉を失いました。私がほしかったのは、「好きだよ」という、たったひと言。それだけだったのです。
話せば話すほど、すれ違っていく私たち
私は気持ちを切り替え、「最近忙しかったけど、会いたいって思ってた?」と聞いてみました。
ところが彼は少し困ったような表情を見せると、「そういう駆け引きはやめてほしい」と冷たく返してきたのです。
私は駆け引きをしたかったわけではありません。ただ、言葉で気持ちを確かめて安心したかっただけ。それでも彼には、愛情を試されているように感じたのかもしれません。そして彼は続けて、「俺は行動で示す派だから」と言いました。
その考え方も理解はできます。でも、私の寂しさは埋まることはありませんでした。

