腎不全の治療についてよくある質問

治療で腎臓の働きは元に戻りますか?
慢性的に進行した慢性腎不全は、一度壊れて線維化した腎臓の組織をもとに戻すことは困難です。そのため、治療の目的は今残っている腎機能をできるだけ長く維持することになります。一方で、脱水、薬剤の影響、急激な炎症などによる急性腎障害は、原因を早く取り除くことで回復が見込める場合があります。慢性腎不全でも、尿蛋白の減少や数値の安定を目指せます。もとに戻すことが難しい場合でも、残った働きを守る治療には意味があります。
治療を受けながら仕事は続けられますか?
腎代替療法を受けながら仕事を続けることは可能です。血液透析は、夜間透析や在宅血液透析を選べる場合があります。日中の勤務時間を確保しやすくなります。腹膜透析は、就寝中に機械が自動で透析を行う自動腹膜透析を選ぶと、日中は治療に縛られにくくなります。腎移植後は身体的な制約が減り、腎不全になる前に近い形で働けることもあります。
治療で腎臓の働きの低下を遅らせることはできますか?
はい、薬物療法や生活管理によって、腎機能の低下を遅らせることは可能です。現在はRA系阻害薬やSGLT2阻害薬など、腎臓を保護する治療の選択肢が増えています。これらの薬を早い段階から使い、塩分制限や血圧管理を続けることで、透析が必要になる時期を遅らせられる場合があります。
食事療法はどのくらい厳しく守る必要がありますか?
食事療法の厳しさは、腎機能のステージや栄養状態によって変わります。すべての方が同じように厳しく制限するわけではありません。高齢の方は、制限しすぎることで低栄養やフレイルにつながることがあるため、腎臓を守ることと栄養を保つことの両方を考えます。食事量が減って筋肉が落ちると、かえって身体の状態が悪くなることがあります。定期的な採血や体重測定の結果をみながら、今の状態に合う制限の程度を調整します。
編集部まとめ

腎不全の治療は、ただ透析を待つものではありません。血圧管理、食事療法、RA系阻害薬やSGLT2阻害薬などによって、腎機能の低下を遅らせることが期待できます。腎臓の働きが大きく低下した場合にも、血液透析、腹膜透析、腎移植などの選択肢があります。
尿蛋白や腎機能の数値の変化は、腎臓からの早い段階のサインです。自覚症状がなくても、健診や診察で異常を指摘された場合は、早めに病院で相談しましょう。将来の治療を考える場面では、一人で悩まず、医療チームと情報を共有し、自分に合う治療と生活の形を選んでいきましょう。
参考文献
『エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023』(日本腎臓学会)
『腎代替療法選択ガイド2020』(日本腎臓学会ほか)
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