毎日の歯みがきはきちんとしていても、歯と歯の間や舌のケアまでは意識していないという人も多いのではないでしょうか? 東京科学大学の研究チームが、65歳以上の高齢者9676人を6年間追跡した調査で、歯間清掃具や舌ブラシを使っている人は、使っていない人に比べて死亡リスクが低いという結果を発表し、注目を集めています。今回はこの内容について、遠藤先生に伺いました。

監修歯科医師:
遠藤 眞次(歯科医師)
長崎大学歯学部を卒業後、東京と群馬の歯科医院で分院長を歴任。臨床のかたわら、歯周治療やインプラント治療についての臨床教育を行う「Dentcation」の代表を務める。他にも、歯科治療のデジタル化に力を入れており、デジタルデンチャーを中心に、歯科審美学会やデジタル歯科学会等で精力的に発表を行っている。
研究グループが発表した内容とは?
編集部
東京科学大学の研究チームが発表した内容を教えてください。
遠藤先生
東京科学大学の研究チームは、65歳以上で歯が1本以上あり、生活に介助を必要としない高齢者9676人を対象に、全国規模のデータを用いて6年間にわたり追跡調査を行いました。追跡した6年間で、1000人あたり年間17.3人が亡くなっていました。介入試験に近い形で解析する手法(標的試験エミュレーション)を用い、年齢や持病などさまざまな要因の影響を考慮した上で検証した結果、歯間ブラシやデンタルフロスなどの歯間清掃具を使っている人は、使っていない人に比べて死亡リスクが約11%低く、舌の汚れを取る舌ブラシを使っている人は約23%低いことが分かりました。これらは、日々の生活の中で誰でも手軽に取り組める、費用のかからない口腔ケアです。この研究から、歯間清掃や舌ブラシの習慣が、健康な状態で長生きすること(健康長寿)の実現に役立つ可能性があると考えられます。デンタルフロスの正しい使い方とは?
編集部
今回のテーマに関連する、デンタルフロスの正しい使い方について教えてください。
遠藤先生
デンタルフロスは、歯と歯の間の汚れ(プラーク)を糸で巻き取るように取り除く清掃用具で、糸だけのタイプとホルダーに糸が付いたタイプがあります。使い方は、まず歯に沿わせてのこぎりのように前後に動かしながら、歯と歯の間へゆっくり入れていきます。歯と歯が接している部分を過ぎたら、手前の歯の歯ぐきの中に糸が隠れる程度まで入れ、接触点に向かって歯の面に沿わせながら汚れをかき出します。続いて奥側の歯についても同じように歯ぐきの中へ入れてからかき出し、最後は再びのこぎりのように前後に動かしながら糸を外します。歯ブラシだけでは落としきれない汚れを取り除くために、毎日の習慣としてデンタルフロスを取り入れてみましょう。
