糖尿病網膜症の手術についてよくある質問

手術後に再発することはありますか?
再発することはあります。糖尿病網膜症は、手術で一度落ち着いても、糖尿病や網膜の虚血が続くと再び出血や黄斑浮腫、新生血管が起こることがあります。レーザー治療後でも、糖尿病網膜症が進行すれば追加レーザーや注射、硝子体手術が必要になることがあります。硝子体手術後も、再出血、網膜剥離、黄斑浮腫、血管新生緑内障などに注意が必要です。
手術後の定期受診を続け、眼底の状態を確認することが大切です。見え方が急に悪くなった、黒い影が増えた、眼痛がある場合は早めに受診しましょう。
手術以外に大切なことはありますか?
糖尿病網膜症は、眼の治療だけでなく全身管理がとても重要です。血糖、血圧、脂質、腎機能などを管理することで、網膜症の進行や再発を抑えやすくなります。特に、糖尿病網膜症は自覚症状が乏しいまま進行することがあります。見え方に問題がなくても、糖尿病と診断されたら定期的な眼科受診が必要です。
急激な血糖改善で網膜症が一時的に悪化する場合もあるため、内科と眼科で連携しながら治療を進めます。手術を受ける場合も、血糖や血圧の状態が術後経過に影響することがあります。
手術は両目とも必要になりますか?
両目とも糖尿病網膜症が進行している場合は、両目に治療が必要になることがあります。ただし、左右の進行度は同じとは限りません。片目はレーザーで対応し、もう片目は注射や硝子体手術が必要になる場合もあります。両目とも手術が必要な場合でも、通常は同時ではなく、状態や緊急性をみながら時期を分けて行うことが多いです。
どちらの眼を先に治療するかは、視力、出血の程度、網膜剥離の有無、生活への影響などを考えて判断します。
手術を受ければ視力は元に戻りますか?
手術を受けても、必ず視力がもとに戻るわけではありません。糖尿病網膜症は、網膜の血流障害や黄斑の障害が残ると、手術で出血や牽引を取り除いても見え方が十分に回復しないことがあります。レーザー治療も、視力を回復させる治療というより、進行を抑える治療です。抗VEGF薬は黄斑浮腫による視力低下を改善する可能性がありますが、効果には個人差があり、継続治療が必要になることがあります。
治療の目標は、視力を守ること、病気の進行を抑えること、生活への影響を少なくすることです。早い段階で治療を始めるほど、視力低下を防ぎやすくなります。
編集部まとめ

糖尿病網膜症の治療には、レーザー光凝固、抗VEGF薬の硝子体内注射、硝子体手術などがあります。増殖前糖尿病網膜症や増殖糖尿病網膜症は、レーザーで新生血管の発生や進行を抑えます。糖尿病黄斑浮腫は、抗VEGF薬の注射が検討されます。
硝子体手術は、硝子体出血、牽引性網膜剥離、増殖膜、黄斑への牽引などがある場合に行われます。手術で見え方が改善する場合もありますが、網膜の障害が強い場合は十分に回復しないこともあります。
糖尿病網膜症は、手術だけで完結する病気ではありません。血糖、血圧、脂質の管理と、定期的な眼科受診を続けることが、視力を守るうえで重要です。
参考文献
『糖尿病網膜症診療ガイドライン(第1版)』(日本眼科学会/日本糖尿病眼学会)『眼科領域のレーザー治療』(日本眼科学会)
『糖尿病網膜症について』(日本眼科学会)
- 「ヘモグロビンA1cが高くなる原因」はご存じですか?医師が3つの改善法を解説!
──────────── - 『糖尿病性腎症』5つのステージでの症状と治療は? 透析を防ぐために必要なことを医師が解説
──────────── - 【闘病】高橋名人「白内障」と「硝子体出血」の同時手術… 健診で気づかない目の異変とは
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