前頭側頭型認知症の診断に用いるMRI以外の画像検査

MRIに加えて、脳の血流低下を評価する脳血流SPECTや代謝低下をみるFDG-PET、構造評価の補助として頭部CTなども用いられます。
頭部CT検査
頭部CT検査はMRIが難しい場合の代替として用いられ、脳全体の萎縮の有無や脳室の拡大、慢性硬膜下血腫などほかの器質的病変の有無を確認します。短時間で撮影でき、救急受診時やペースメーカー装着例などMRIが施行できないケースでは有用な検査です。
脳血流SPECT検査
脳血流SPECT検査は、脳内の血流分布の画像化で、前頭側頭型認知症に特徴的な前頭葉・側頭葉の血流低下パターンをとらえる検査です。MRIで明らかな萎縮が乏しい早期の段階でも機能低下を反映しやすく、アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症など、ほかの認知症との鑑別に役立ちます。
PET検査
PET検査は、放射性薬剤を用いて脳内のブドウ糖代謝などの機能を画像化する検査で、前頭側頭型認知症では前頭葉・側頭葉の代謝低下パターンの評価が診断の補助です。アルツハイマー型認知症で主に側頭頭頂葉の代謝低下がみられるのに対し、前頭側頭型認知症は前頭葉・側頭葉前部に強い低下がみられることから、鑑別診断に有用とされています。
前頭側頭型認知症とほかの認知症のMRI所見の違い

前頭側頭型認知症のMRIは、前頭葉や側頭葉前方に限局した萎縮が目立つ一方、アルツハイマー型認知症は海馬を含む側頭葉内側から頭頂葉にかけた萎縮が主体となるなど、原因疾患により萎縮の部位やパターンが違います。
アルツハイマー型認知症との違い
前頭側頭型認知症とアルツハイマー型認知症は、MRI所見の出方が違います。前頭側頭型認知症は、前頭葉および側頭葉前方に限局した萎縮が目立ち、海馬の萎縮は軽いことが少なくないです。一方、アルツハイマー型認知症は、初期から海馬を含む側頭葉内側の萎縮が主体で、進行とともに頭頂葉や後部帯状回へと萎縮が広がるのが特徴です。
レビー小体型認知症との違い
レビー小体型認知症は、MRIでは明瞭な局在性萎縮を示さないことが多く、むしろSPECTやDATスキャン、MIBG心筋シンチなどの機能画像で後頭葉の血流低下やドパミン神経・自律神経の障害が手がかりです。一方、前頭側頭型認知症は、MRIで前頭葉や側頭葉前方に限局した萎縮がみられます。

