親や家族に介護が必要になったとき、まず行うのが介護保険の申請です。手続きの流れや必要な書類がわからず、不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
本記事では介護保険の申請について、以下の点を中心に紹介します。
介護保険の申請方法と申請先
申請後の認定調査と認定までの流れ
認定結果と申請後の手続き
介護保険の申請について理解するためにも、ご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。

監修医師:
高山 哲朗(かなまち慈優クリニック)
理事長 高山 哲朗
平成14年慶應義塾大学卒業
慶應義塾大学病院、北里研究所病院、埼玉社会保険病院等を経て、
平成29年 かなまち慈優クリニック院長
【所属協会・資格】
医学博士
日本内科学会総合内科専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本医師会認定産業医
東海大学医学部客員准教授
予測医学研究所所長
介護保険の申請方法と申請先

介護保険の申請はどこでできますか?
介護保険の申請は、お住まいの市区町村の窓口(介護保険担当課)で行います。65歳以上の方は、市区町村から届く介護保険被保険者証を持参して申請します。40〜64歳の方も、特定疾病が原因で介護が必要な場合は申請できます。
窓口へ行くのが難しいときは、地域包括支援センターでも相談や申請の代行に対応してもらえます。地域包括支援センターは高齢の方の介護や生活の相談を無料で受け付ける公的な窓口です。
申請から利用開始まで一定の期間がかかるため、必要を感じたら早めに動くことをおすすめします。申請にかかる費用は無料で、手数料などは必要ありません。早めに申請しておくと、いざ介護が必要になったときにスムーズにサービスを利用できます。
本人が動けない場合は家族や代理人が申請できますか?
はい、本人が動けない場合でも、家族や代理人が申請できます。
介護保険の申請は、本人だけでなく、家族のほか、地域包括支援センターや居宅介護支援事業者のケアマネジャー、成年後見人などが代理で行えます。入院中や体調がすぐれずに窓口へ行けないときも、代理申請を利用すれば手続きを進められます。
申請の際は、本人の介護保険被保険者証やマイナンバーがわかるものが必要になるため、事前に市区町村の窓口へ持ち物を確認しておくとスムーズです。遠方に住んでいて手続きが難しい場合も、まずは地域包括支援センターに相談してみましょう。代理で申請する場合も、本人の意思を尊重し、状況を共有しながら進めることが大切です。
介護保険の申請に必要な書類を教えてください
介護保険の申請に必要なおもな書類は、次のとおりです。
・要介護・要支援認定の申請書(市区町村の窓口やホームページで入手できる)
・介護保険被保険者証(65歳以上の第1号被保険者)
・医療保険の保険証(40〜64歳の第2号被保険者)
・マイナンバーが確認できるものや本人確認書類
・主治医の氏名や医療機関名がわかるもの
主治医意見書は市区町村が医師に直接依頼するため、家族が用意する必要はありません。必要な書類は市区町村によって多少異なるので、申請前に窓口へ確認しておくと安心です。
申請書の書き方がわからないときは、窓口の担当者や地域包括支援センターが記入をサポートしてくれます。
介護保険申請後の認定調査と認定までの流れ

認定調査では何を聞かれますか?
申請後には、市区町村の調査員が自宅などを訪問し、本人の心身の状態を確認する認定調査が行われます。
調査では、歩行や立ち上がりなどの動作、食事や排せつ、着替えといった日常生活の様子、物忘れや意思の伝達などについて、決められた項目に沿って聞き取りや確認が行われます。
ふだんできることとできないことを正確に伝えることが大切なので、できれば家族など本人の状態をよく知る方が立ち会いましょう。実際よりよく見せようとせず、困っていることをありのままに伝えると、適切な認定につながります。
調査と合わせて、主治医意見書をもとに審査が進みます。緊張して受け答えが難しいときは、ふだんの様子や困っていることを書いたメモを渡すと、伝え漏れを防げます。
申請してから認定結果が出るまでどれくらいかかりますか?
申請してから認定結果が出るまでは、原則として30日以内とされています。申請を受けた市区町村は、認定調査と主治医意見書をもとに、コンピュータによる一次判定と、介護認定審査会の二次判定を行い、要介護度を決めます。
ただし、調査の日程調整や主治医意見書の作成状況によっては、30日を超えることもあります。
認定の効力は申請日にさかのぼるため、結果を待つ間でも、暫定的にケアプランを作成してサービスを利用できる場合があります。急いで利用したいときは、申請のときに市区町村やケアマネジャーに相談しておくとよいでしょう。
結果は郵送で通知され、被保険者証に要介護度が記載されて届きます。
要支援と要介護はどう違いますか?
要支援と要介護は、必要な支援の程度によって分けられます。
要支援(1〜2)は、日常生活はおおむね自身でできるものの、一部に支援が必要で、介護予防によって状態の改善が見込まれる段階です。
一方、要介護(1〜5)は、日常生活に継続的な介護が必要な状態で、数字が大きいほど必要な介護の度合いが高くなります。
要支援の方は地域包括支援センターが、要介護の方は居宅介護支援事業者のケアマネジャーが中心となってケアプランを作成します。どちらに認定されるかで利用できるサービスや手続きの窓口が変わるため、結果が出たら担当の窓口に相談しましょう。
認定の区分によって利用できるサービスの量(支給限度額)も異なるため、利用前にケアマネジャーに確認しておくと安心です。

