女性ホルモンの働き(役割)

女性ホルモンは、生殖機能だけでなく、身体のさまざまな組織に作用して健康を維持しています。ここでは代表的な働きを紹介します。
月経周期を整える
エストロゲンとプロゲステロンは、子宮内膜の状態を変化させながら月経周期を調節しています。これらのホルモンが周期的に分泌されることで、妊娠に備えた身体の状態が保たれています。
妊娠を維持しやすい身体をつくる
排卵後にはプロゲステロンの分泌が増え、子宮内膜に作用し受精卵が着床しやすい環境を整えます。妊娠が成立した後も、妊娠初期を支える重要な役割を担っています。
骨の健康を保つ
エストロゲンには骨からカルシウムが失われるのを抑える働きがあります。そのため、更年期以降に女性ホルモンが減少すると、骨密度が低下しやすくなり、骨粗しょう症のリスクが高まります。
肌や髪の状態を維持する
女性ホルモンは肌のうるおいやハリを保ち、髪の健康にも関わっています。分泌量が減少すると乾燥しやすくなり、肌や髪質の変化を感じる方も少なくありません。
自律神経や血管の働きをサポートする
女性ホルモンは体温調節や血流、自律神経のバランスにも関与しています。更年期にはその働きが低下するため、ホットフラッシュや発汗などの症状が現れやすくなり、これらが体臭の変化につながることもあります。
女性ホルモンの分泌が低下すると体臭がきつくなる原因

更年期が近づくにつれ「以前より体臭が気になるようになった」と感じる方もいます。女性ホルモンの低下そのものが直接体臭を強くするわけではありませんが、発汗や皮脂分泌、自律神経の変化などが重なることで、臭いが目立ちやすくなる場合があります。ここでは、女性ホルモンの減少と体臭の変化に関係すると考えられている主な要因について解説します。
脇汗が増え細菌が繁殖しやすくなる
更年期には、女性ホルモンの減少に伴ってホットフラッシュや寝汗などの症状が現れることがあります。汗自体はほとんど臭いませんが、脇の下など汗をかきやすい部位では、皮膚の常在細菌が汗や皮脂を分解することで臭いが発生します。発汗量が増えると細菌が繁殖しやすい環境となるため、以前より体臭が気になるようになることがあります。
テストステロンの作用が相対的に目立ちやすくなる
更年期にはエストロゲンの分泌が大きく減少します。一方で、女性の体内では少量のテストステロンも分泌されており、エストロゲンが減少することで、その作用が相対的に目立ちやすくなると考えられています。これにより皮脂分泌や汗の性質が変化し、細菌が増殖しやすい環境となって体臭が強く感じられる場合があります。また、皮脂が酸化して生じるノネナールは、加齢臭の原因物質の一つとして知られています。
更年期以降の肥満
更年期以降は、女性ホルモンの減少や加齢、基礎代謝の低下などが重なり、体脂肪が増えやすくなる傾向があります。皮脂の分泌量が増えると、皮脂に含まれる脂肪酸が酸化されやすくなり、臭いの原因となる物質が生成されやすくなります。また、体重の増加によって汗をかきやすくなることも、体臭が強く感じられる一因となる可能性があります。
更年期以降の嗅覚低下
閉経後には嗅覚障害をきたす方も多いという報告もあります(Atalayら、2025)。そのため、自分の体臭に気づきにくくなり、結果として体臭がきつくなってしまうこともあるでしょう。
月経周期のホルモンレベルの変動
女性ホルモンの低下ということではありませんが、ホルモンレベルの変動が体臭の変化に関与している可能性があります。エストラジオールが高く、プロゲステロンが低いほど、男性からみた女性の体臭が魅力的と感じるという報告もあります(Lobmaierら、2018)。
また、排卵期に女性を魅力的と感じるような「フェロモン」が感じられるという研究もあります(Ohgiら、2025)。

