【闘病】1年で10kg増、血圧200mmHg台、心不全… 正体は副腎腫瘍『クッシング症候群』

【闘病】1年で10kg増、血圧200mmHg台、心不全… 正体は副腎腫瘍『クッシング症候群』

健康に気を配った生活を送っていても、体のあちこちに不調が表れる——。たろうさん(仮称)を襲ったのは、副腎にできた腫瘍と、それに伴うクッシング症候群(副腎から分泌されるホルモンが過剰になる病気)でした。会社の健康診断で脂質異常症を指摘され、その後の受診で200mmHg台の高血圧や心不全(心臓の働きが低下した状態)も見つかり、検査の結果、副腎腫瘍が判明。手術と投薬治療で病気と向き合ってきました。発覚から診断、治療、現在の生活まで、たろうさんに聞きました。

※2026年2月取材。

たろうさん

体験者プロフィール:
たろうさん(仮称)

会社員。2025年7月、会社の健康診断で脂質異常症を指摘される。同年10月に副腎腫瘍によるクッシング症候群と診断され、12月に腹腔鏡(ふくくうきょう)手術で右副腎を摘出。現在は降圧薬とホルモンを補う薬を服用しながら経過観察中。

健康診断をきっかけに次々と見つかった異常

健康診断をきっかけに次々と見つかった異常

編集部

たろうさんが経験した副腎腫瘍とクッシング症候群は、どのような病気なのでしょうか?

たろうさん

副腎腫瘍は、副腎(腎臓の上にある、ホルモンを分泌する臓器)にできる腫瘍です。
クッシング症候群は、副腎から分泌されるコルチゾール(体のさまざまな働きを調整するホルモン)が過剰になる病気です。急激な体重増加、高血圧、高血糖、脂質異常症、生理不順、満月様顔貌(ムーンフェイス/顔が丸くなること)、背中・太もも・腹部の肉割れ(皮膚線条)などが主な症状として表れます。私の場合は、副腎腫瘍が原因で発症しました。

編集部

病気が判明したのは、どのような経緯だったのでしょうか?

たろうさん

始まりは2025年7月、会社の健康診断で脂質異常症を指摘されたことでした。食事にも運動にも気を配る生活をしていたので、「何を食べたんだろう?」と不思議に思ったことを覚えています。
その後、9月ごろから生理不順が続いたため、産婦人科を受診しました。月経を促すピルを処方され、服用したところ、血栓症(血管の中で血液が固まる状態)を起こしてしまい、治療を中断せざるを得ませんでした。
さらに10月になると心臓に痛みを感じ、循環器科を受診しました。すると、200mmHg台の高血圧と心不全が見つかったんです。原因を特定するために血液検査を受けたところ、「副腎腫瘍によるクッシング症候群」と診断されました。そして11月に検査入院し、12月に腫瘍のあった右副腎を摘出する手術を受けました。

編集部

病気が判明したときは、どのような心境でしたか?

たろうさん

それまで健康診断で異常が出たことは一度もなく、手術も親知らずの抜歯くらいしか経験がなかったので、とても驚きました。ただ、「クッシング症候群」という病名を聞いたときは、「『ブラックジャック』(漫画)に載っていた病気だ!」と少し興奮しました。

編集部

治療については、どのような説明を受けたのでしょうか?

たろうさん

「腹腔鏡(ふくくうきょう)手術(おなかに小さな穴を開けて器具を入れて行う手術)で腫瘍のある右副腎をすべて摘出します」と説明を受けました。手術の後は、腫瘍の影響で働きを抑えられていた左副腎が、摘出した右副腎に代わって活動を再開するまで、投薬治療と経過観察のための通院が必要とのことでした。

仕事に復帰し、元の生活を取り戻そうと努力している

仕事に復帰し、元の生活を取り戻そうと努力している

編集部

現在の病状を教えてください。

たろうさん

クッシング症候群はまだ完治しておらず、降圧薬とホルモンを補う薬を服用しています。

編集部

病気が判明してから、生活にはどのような変化がありましたか?

たろうさん

手術が必要な病気だったので、会社への病状の報告や通院・入院の日程調整、加入していた保険会社への確認、入院前の歯科の定期検診など、やるべきことが多く忙しい日々でした。
今も生活には気を使っていますが、仕事には復帰でき、発症前から通っていたジムにも再び行けるようになり、趣味のエアロダンスを楽しんでいます。

編集部

今の体調や生活の様子はいかがですか?

たろうさん

腫瘍を摘出してからは、ずっと悩まされてきた夜間頻尿や、血糖値の乱高下による強い眠気、腕の発疹などが徐々に改善しています。
一方で、高血圧はまだ続いており、術後は不整脈も出ています。クッシング症候群が急激に悪化してから約半年間は運動ができず、体力が大きく落ちてしまいました。今は好きな運動を楽しみながら、失った筋力を少しずつ取り戻しているところです。

編集部

治療を続ける中で、心の支えになっているものはありますか?

たろうさん

SNSで交流のある人たちからもらう、たくさんの励ましの言葉です。同じ病気を経験した人だけでなく、私の病気を知って応援してくれる人もいて、日々感謝しています。
入院中にあると便利なものや病床での暇つぶしなど、入院経験者からのアドバイスももらえて、とても役立ちました。

配信元: Medical DOC

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