【闘病】父は45歳で他界「やっぱりきたか」市民ランナーに『大腸がん』ステージ3C

【闘病】父は45歳で他界「やっぱりきたか」市民ランナーに『大腸がん』ステージ3C

境さんは、マラソンのトレーニング中に感じたわずかな違和感をきっかけに、2021年に大腸がんのステージIIIC(がんの進行度分類で腫瘍がある程度浸潤し、リンパ節転移を伴いかつ、遠隔転移[肺、肝臓など]がないものの一つ)と診断されました。手術と半年間にわたる抗がん剤治療を乗り越え、現在はシステムエンジニアとして働きながら、自身の経験を生かして「スポーツまちづくり」の分野でも活動しています。マラソンにも復帰し、2026年5月には術後5年を迎えた境さんに、発覚から診断、治療、現在に至るまでの経緯を聞きました。

※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2026年4月取材。

境さん

体験者プロフィール:
境 理さん

1973年生まれ、熊本市在住。診断時の職業はシステムエンジニア。2020年ごろから体に違和感を覚え、2021年に大腸がんと診断される。手術と半年間の抗がん剤治療を受け、現在はスポーツまちづくりプランナー兼システムエンジニアとして活動。2026年5月で術後5年を迎え、体調は安定している。

トレーニング中の「わずかな違和感」と、大会後の血便で突きつけられた現実

トレーニング中の「わずかな違和感」と、大会後の血便で突きつけられた現実

検査入院をしたとき

編集部

体に異変を感じたのはいつごろでしたか?

境さん

2020年夏ごろ、マラソンのトレーニング中、30分ほど走ると横隔膜付近が痛むようになりました。当時は「いずれ慣れるだろう」と軽く考えていたんです。しかし、同年12月の大会後に激しい血便があり、「ただごとではない」と実感しました。知り合いの医療従事者に相談し、2021年4月に内視鏡検査(カメラで大腸の中を直接観察する検査)を受けたところ、大腸がんの可能性を指摘され、がんにより腸が詰まりかかっていたため、そのまま総合病院へ緊急入院となりました。

編集部

トレーニング中の痛みや血便のほかに、自覚症状はなかったのでしょうか?

境さん

まったくありませんでした。もしランニングをしていなかったら、さらに進行するまで気付かなかったと思います。

編集部

大腸がんと診断されたときの心境を教えてください。

境さん

父が同じ大腸がんで45歳のときに他界していたので、私自身も「45歳で死ぬ」と覚悟して生きてきました。ショックはなく、「やっぱりきたか」というのが正直な感想でした。

死と向き合い見つけた、社会へ還元する覚悟

死と向き合い見つけた、社会へ還元する覚悟

抗がん剤治療中。病院で撮影した1枚

編集部

どのような治療を受けましたか?

境さん

まず、腸閉塞(ちょうへいそく/腸が詰まって内容物が通れなくなる状態)を起こしていた部分にステント(狭くなった腸を内側から広げる筒状の器具)を留置し、約1カ月後に腹腔鏡(ふくくうきょう)手術で下行結腸(大腸の左側にある部分)の腫瘍を摘出しました。術後は再発防止のため、点滴とあわせてカペシタビン(飲み薬タイプの抗がん剤)を2週間服用して1週間休む、というサイクルを半年間続ける抗がん剤治療を受けました(※)。

※治療の内容や期間は患者さんの状態によって異なります

編集部

がんの発覚から手術までは、どのような日々でしたか?

境さん

生活の変化を感じる余裕もないまま、治療が進んでいったのが実情です。10日間の検査入院中にステージIIICのがん宣告を受け、その約1カ月後には手術という怒涛(どとう)の流れでした。

編集部

闘病に向き合う上で、心の支えになっているものを教えてください。

境さん

生きている限り精力的に活動する姿を見せていくという覚悟です。入院中に「人の死」と真摯(しんし)に向き合い、「残された人生で自分は何をすべきか、後悔しない生き方とは何か」を深く考え、たどり着きました。同じようにがんを経験した人や闘病中の人たちに、「病気を乗り越えて社会の一員として活躍できる」「まだまだ頑張れる」という希望を持ってもらいたい――この覚悟が、今も心の支えになっています。

配信元: Medical DOC

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