《地獄の入口》にいた織田信長さんは、その後どうなった? 安土城跡で聞いた、義理堅い信長さんの胸の内|桜井識子

《地獄の入口》にいた織田信長さんは、その後どうなった? 安土城跡で聞いた、義理堅い信長さんの胸の内|桜井識子

各地に残る不思議な噂や伝承を、桜井識子さんが実際に現地を訪ねてひもといた『謎の先には〝開運〟がある! 歴史ミステリとパワースポットを調べてわかったこと』。本書では、織田信長と豊臣秀吉、平家落人伝説、日本三奇、久米島、屋久島などをめぐり、噂や伝承の先にある知られざる物語や、土地に宿る力、ありがたいごりやくを探ります。

今回ご紹介するのは、信長さんゆかりの「安土城跡」。以前、桜井さんが「地獄の入口にいた」と伝えていた信長さんは、その後どうなったのでしょうか。本書から一部を抜粋してご紹介します。

*   *   *

石仏を石として利用していた安土城

安土城に行ったのは2回目です。初回はたしか2015年で、その時は私ひとりだけではありませんでした。ですので、スピリチュアルなことは何もわかりませんでした。

今回はひとりなので、しっかりといろいろな部分を見ることができます。

入口を通って、石段を上りつつ、まずは小声で名乗りました。軽く自己紹介もしました。相手は神仏ではありませんが、気難しい人かもしれないので、私なりに気を遣ったのです。

安土城跡の石段(写真:桜井識子)

それから、声をかけてみました。

「信長さ~ん! さん付けで呼ぶのは失礼かもしれませんが、現代はそういう時代だと思って、お許し下さい。信長さ~ん! 織田信長さ~ん! いらっしゃいますか~? いらっしゃったら、お話を……」

ここまで言ったところで、

「話をしたいのなら、上まで来いっ!」

ビックリマーク付きの感じで怒鳴られました。

ひゃ~! 叱られた~、と思いましたが、言っていることはごもっともです。入口近くのところで会話をするとなると、信長さんに下まで来い、ということになります。

信長さんはついこないだ地獄の入口から解放されたばかりです。昔の感覚そのままだと思われます。庶民の私が話をしたいとなれば、天主まで行くのが当然でしょう。下から声をかける(信長さんに私のところまで来いと言う)のはたしかに失礼です。

「わかりました~! すみませんでした!」

素直に謝って、黙って石段を上りました。

石段をてくてくと上っていると、驚くことに、石仏が埋め込まれていました。石仏としてではなく、石段を構成する石のひとつとして、です。仏様が彫られていても、石だから普通の石と同じ、利用しない手はない、ということでしょうか。

石段に埋め込まれた石仏(写真:桜井識子)

石仏があちらこちらに埋め込まれているのを見て、うっかり非難の言葉が口から飛び出しました。

「これは! さすがにバチ当たりな行為なのでは!」

約400年前の過去から現在までに、信仰心のない人に踏まれたことがありそうです。

石仏のひとつに手を合わせようとしたら、いきなり信長さんの声が頭上から響きました。

「魂は抜いてある!」

あ、そうなんだ、魂抜きはしているんだ、とわかりました。手を合わせてみたら、たしかに道はつながっていませんでした。

いや、しかし、仏様です。許さないことはないだろうとは思いましたが、なんとなく申し訳ない気持ちになりました。もちろん、大きく避けて歩きました。

石段はけっこう上のほうまで続きます。

そこをヒーヒー、ハーハー、ゼーゼー言いながら上りました。地味にしんどかったです。傾斜もあるし、石の高さもバラバラだからです。

ここで秀吉さんを思い出しました。信長さんに誠意を見せ、忠誠心をわかってもらうため、信長さんに疑う気持ちを抱かせないように、天主まで走って上っていたというのです。呼ばれたら、必ず、です。

実際に歩いてみると、簡単にできることではない、とわかりました。この努力を続けた秀吉さんの信長さんに対する思い、忠誠心が理解できました。

信長さんの目鼻立ちと天主跡の浄化パワー

ふぅふぅ言いつつ、やっと本丸跡に到着しました。

本丸跡は広いけれど、土地は明るくありません。暗くはないのですが、お城の本丸跡という感じがしないのです。特になんということはない、普通の山の中の土地でした。本当にここが本丸跡? と思うくらいあっさりとしていました。

そこから少し上がると、天主跡です。

本丸跡とは対照的に、天主跡の土地はすごかったです! 土地がさらさら~~~っと軽くて、この山でそこだけが涼やかであり、爽やか~~~なのです。土地が浮き上がっているような感じで、浄化のレベルが最上級でした。強烈なパワーで浄化しているのです。見ただけで土地の透明度、パワーがわかります。

当時は敵将に呪いをかけることがあったようですが、そういうものも跳ね返す力がありました。特殊な術がかけてあるのです。レベルが異次元の、今までに体験したことがない土地でした。

爽やかな浄化パワーに満ちた天主跡(写真:桜井識子)

信長さんはそこにある、見えない世界の天主の中に座っていました。

この人が! 織田信長さんなんだ! と思うと、まじまじと顔を見たい気持ちになりましたが、我慢して頭を下げ、挨拶をしました。もちろん自己紹介ももう一度やりました。

「お話を伺いたいのですが」

「うむ」

信長さんは私の真ん前に至近距離でいるのではなく、少し離れています。そのため、顔はハッキリクッキリとは見えませんでした。でも、こういう顔立ちなんだな、ということはわかりました。

最近ネットなどで、当時の宣教師が描いたと言われる信長さんの肖像画を見ますが、あの絵はかなり外国人っぽくデフォルメされています。あそこまで目鼻立ちがハッキリしているお顔ではありません。

鼻は鷲鼻で、日本人にしては高いほうです。スッとした細長い輪郭であり、そこは日本人が描いた、よく見る肖像画と同じです。でも肖像画のように、のっぺり~とした感じではなく、もうちょっと凹凸があります。目はそんなに大きくないのですが、眉がしっかりと濃いので、印象の薄い顔ではありません。

(イラスト:長野美里)

配信元: 幻冬舎plus

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