女優の見上愛が一ノ瀬りん、上坂樹里が大家直美という2人のヒロインを演じるNHK連続テレビ小説「風、薫る」(総合)の第20週「家族のかたち」(第96~100回)が10日から始まる。第19週「黎明の翼」では、赤痢の流行という未曽有の危機を通じ、りんと直美が「看護とは何か」を改めて問い直し、ともに看護婦として歩む決意を固めた。第20週では舞台を再び東京へ移し、りんと直美は派出看護で新たな一歩を踏み出す。一方で、「家族」の在り方や恋の行方にも大きな転機が訪れる。
朝ドラ「風、薫る」第20週「家族のかたち」(第96~100回)解説
新潟から東京に戻ったりんが直美と派出看護の仕事を始めることになり、母・美津(水野美紀)、娘・環(英茉)との暮らしが再び始まった。そんななか、思いがけない人物がりんを訪ねてくる。直美はいよいよ自分の理想とした無償の看護を始めるが…。
第20週で、りんが、直美が立ち上げた「恵風看護婦会」に加わり、直美たちとともに派出看護に力を注ぐ。一方で、直美と小川吾郎(甲斐翔真)、りんをめぐるシマケンこと島田健次郎(Aぇ! group・佐野晶哉)と、新聞記者・横沢公輔(井上祐貴)の関係も大きく動くとみられ、「家族」の意味をそれぞれが模索していく週となりそうだ。
朝ドラ「風、薫る」第19週「黎明の翼」ストーリー展開【振り返り】
第19週では、赤痢の集団感染という極限状態を舞台に、感染症への偏見や地域医療、看護婦の使命が描かれた。患者を救うだけでなく、人々の意識を変えるために奮闘するりんと直美の姿は、本作が描く看護の原点を象徴するエピソードとなった。
【以下、ネタバレ】
東京へ帰る直美たちを見送った朝、りんが寮へ戻ると、黒川病院の黒川勝治(平埜生成)が待っていた。近くの村で赤痢が発生し死者も出ているため同行してほしいという。自信がないりんは一度は断るが、「看護とは何か? 問われているのは私自身である」という恩師バーンズ(エマ・ハワード)の言葉を思い出し、現場へ向かう決意を固めた。
黒川たちと現地へ向かい、りんは看病婦たちに「私たちは絶対に感染しないことが患者さんを救う第一歩と教わりました。私の学んできたものはすべて伝えます」と呼びかける。村では長太郎(渋谷そらじ)という少年が「おっかぁを助けてくんなせ!」と助けを求めてきた。母・アサ(美山加恋)は赤痢を発症しており、黒川は避病院への搬送を決めるが、父・太助(板橋駿谷)は拒否する。コレラで父を亡くし、感染者への偏見を知るりんは「私にも娘がいます。それでもこの村に来たのは、生きてほしいからです。1人でも多く」と説得し、アサを避病院へ運んだ。
避病院は不衛生な状態で、りんは換気、掃除、消毒を徹底。院内では、東京から来た患者・柳生藤次(中村倫也)は、村に赤痢を持ち込んだと疑われ孤立していた。りんは看病婦たちに「怖くていいんです。怖がらないと伝染してしまう。病室を清潔にするのも、私たちがうつらないためでもあるんです。ちゃんと怖がりながら看護しましょう」と励ました。
そこへ東京へ戻ったはずの直美が現れる。「駅で、近くで赤痢が出たって聞いて…。りんになら、きっとと思って。環ちゃん、シマケンさんに預けて」。さらに横沢も取材を兼ねて作業を手伝い始める。患者たちが柳生を拒絶すると、直美は「院内での差別を私たちは決して認めません」と毅然と訴えた。
りんと直美は互いに恐怖を抱えながらも支え合い、看護を続ける。やがて直美の必死の呼びかけで村の女性たちも炊き出しなどに力を貸すようになり、さらに男性たちも加勢。村全体で患者を支える態勢が整っていった。しかし重症のアサは回復しなかった。病室へ向かって「おっかー! おら、待ってるからー! おっかー! おっかーの好きなあんこと餅もあるっけ戻ってこいて!」と必死に呼びかける長太郎。その声を聞いたアサは涙を流し、りんは手を握って「気をしっかり持って! 家に戻りましょう」と励ました。
1カ月後、軽症患者は退院。柳生は内務省衛生局の調査員で、現地調査中に感染したことを明かし、「このままいけば死亡率を1割に抑えられたことになる。米の収量への影響も少ないだろう。目覚ましい事例だったと上に報告しておく」と評価。「世話になった」と感謝を伝えて去っていった。アサも快方へ向かい、りんは食事に付き添いながら回復を喜んだ。
避病院での活動を終えたりんは、患者に触れることへの恐怖を直美に打ち明け、「だけどアサさんに握られたとき、その手があったかくて…。生きてるんだなって、うれしくなって…。直美さんと…看護婦としてもう一度、一緒に働きたい」と思いを伝える。直美も「ありがとう。私も…りんを誘いに来たの、本当は」と本心を明かした。そこへ黒川が現れ、りんに黒川病院で1年間働き、看護婦を育ててほしいと頼む。「1年で看護婦を1人でも多く育ててほしいんだ。その代わり月12円出す。住む家も用意する。それなら1年間で100円は貯まるだろう」。それは娘・環(英梨)を高等小学校へ通わせられる金額で、りんは申し出を受け入れた。直美はその間に恵風看護婦会を立て直すと約束する。
りんは学校へ退職願を提出し、再び看護婦として歩む決意を報告。高越日報には看護婦の活躍で赤痢が終息したという記事が載った。りんは記事を書いた横沢に感謝を伝える。横沢は東京の新聞社へ移ることを明かし、「東京で待ってますから」と笑った。

