ある晩、認知症の父が寝室からいなくなっていることに気付きました。徘徊することは以前からありましたが、その夜、父が向かっていたのは家の中ではありませんでした。真夜中の外へ出ようとしていた父の姿に、私は血の気が引くような思いをしました。
寝室からいなくなっていた父
その晩、父の様子を確認しようと寝室へ行くと、いるはずの父の姿がありませんでした。認知症が進んでいた父が家の中を歩き回ることは、決して珍しいことではありません。それでも、夜中に姿が見えなくなったことに不安を感じ、私は慌てて家中を探しました。
しかし、どの部屋を見ても父は見つかりません。玄関のほうへ向かうと、父が外へ出て、近所のコンビニまで歩いて行こうとしていることがわかりました。
真夜中の外へ出ようとしていた父
外は真夜中でした。道路には車も通っており、そのまま父が歩いて行けば、事故に遭うおそれもあります。私はすぐに父のもとへ駆け寄り、抱きかかえるようにして家の中へ戻しました。大きな事故につながらずに済みましたが、そのときは心臓が止まりそうなほど緊張しました。
家の中で眠っていた家族も騒ぎに気付き、一気に目を覚ましました。父が無事だったことに安堵する一方で、家族全員が「少し気付くのが遅れていたら、どうなっていたのだろう」と不安を感じました。

