「今」伝えずに、いつ伝えるの?「いつか」ではなく毎⽇伝えて良い思い出を重ねていこう
――新著の中で、「<⼈⽣の最期>を意識したとき、健康寿命で考えると、あの桜を⾒られる回数は『あと15回ほど』かもしれないと気づき、⾝が引き締まった」とお書きになっています。この死⽣観は、エドさんの「今」の⾏動をどう変えましたか?
エド・はるみさん:それをきっかけに私は、逆に残りの「今」という瞬間に、これまで以上に感謝と喜びを感じながら生きて行こうと意識するようになりました。
人は、目の前のさまざまな奇跡を、つい当たり前のことだと思ってしまいがちです。しかし例えば、もう何十年も文句一つ言わずに動き続けてくれる自分の身体中の細胞一つ一つの健気さや、毎日ごはんが食べられるこの日本で生きている喜び、温かい布団で毎日安心して眠れるしあわせ・・・。そんな小さな何気ない一つ一つが、実はどれだけの奇跡であるか。
そのことに気づき、日々心の中で感謝しながら過ごすことができれば、その残りの15回という数字も、怖いものではないのかも知れません。
私はそれ以来、朝、目が覚めたときにまた呼吸をしてこの朝を迎えられた自分の命の奇跡に「ありがとうございます」と心の中でつぶやいてから、起き上がるようになりました。
――年を重ねるほど、「素直」であることがお得、という新著のお話にハッとしました。意地を張らずに、⼤切な⼈へ「ありがとう」や「⼤好き」を伝えることが、私たちの⼈間関係をどう変えてくれるのか、エドさんの実感をお聞かせください。
エド・はるみさん:これは特に、最も親しくて近しい相手である恋人や伴侶、パートナーやご両親、お子様などを思い浮かべながら、思うことなのですが・・・
『ありがとう』『さみしかった』『⼤好き』『ごめんなさい』
この4つのことばをお互いに日々さりげなく、1日に何度も素直に言い合えたら、言う方も言われる方もずっと心が温かく嬉しくて、かけがえのない毎日を過ごせるのではないかと。
私にも、これを言えなかった相手がいますし、言える相手もいます。言えなかった相手には、本当に今後悔していますし、もっともっと伝えればよかったと思っています。だからこそ、今言い合える相手には、これをずっと続けていきたいと思っています。
またこれは、家族ほど濃い関係でなくとも、職場や仕事で関わる方々にも、「いつもありがとうございます」「またぜひお会いしたいです」など、素直な本心をお伝えしようと心がけています。それは、私ももし、そう相手の方に伝えられたら、とても嬉しいと思うからです。
人生は、あっという間です。「いつか」は、そうしない限りやっては来ません。また、人生は“主観の「記憶」がすべてかも知れない”と、最近強く思います。だとすると、どれだけ生きている間に、いい思い出が作れたか?がすべて。なので、自分の中の素直な気持ちを素直に出して、少しでも日々、いい関係、いい気分で生きていきたいと願っています。
「遅い」と感じるのは思い込み。1ミリずつでも動いていく。その1歩1歩がすべての扉を開いていく
――年齢を重ねることに漠然とした不安を感じたり、「今さら新しい挑戦なんて、もう遅いかも」と諦めかけている多くの読者へ、最後にメッセージをお願いします。
エド・はるみさん:本当に「遅い」のは、自分が息を引き取る 0.001秒前ではないでしょうか。それ以外で「遅い」なんてことはないのではないか、と私は思います。なぜなら、何より<意識>が重要だからです。現実がどうか?ではなく、自分自身がどう思うかが一番大切なことだと思います。
さらに言うなら、「遅い」なんて、そう思い込めば諦められますから、それを”言い訳”にしていないか、ご自分に問いかけてみるといいかも知れません。もちろん、そうしたチャンスや受け入れの確率は、当然歳を重ねれば減る現実はあるでしょう。けれど、だとしても、どこかに絶対、活路や出会いはあるはずです。自分が諦めさえしなければ。
なので、そんな“思い込み”はフッとはずしてしまえばいいと思いますし、それは実際に動いて、手を掛けてみれば、意外とあっけなくはずれ、小さく扉が開いていくくらいのものではないでしょうか。私は今でも、あらゆることに対してそう信じています。
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いつでも「今⽇がいちばん若い⽇」。世間の常識や、⾃分の中の恐怖⼼に「待った」をかけず、⽬の前のことに集中して⼩さな⼀歩を踏み出してみる。
そんなエドさん流の⽣き⽅のヒントは、明⽇からの毎⽇の景⾊を少しだけ変えてくれるかも知れません。
取材・文=宇都宮薫

