女優の見上愛が一ノ瀬りん、上坂樹里が大家直美という2人のヒロインを演じるNHK連続テレビ小説「風、薫る」(総合など)の第96回が10日に放送される。この日からドラマは第20週「家族のかたち」(第96~100回)に突入。赤痢との闘いを通して看護婦として成長したりんと直美は、再び東京で新たな一歩を踏み出す。物語が新章へ入る前に、第19週を振り返りながら第96回の見所を解説する。
朝ドラ「風、薫る」第96回(8月10日放送予定)見所解説
直美は、派出看護を軌道に乗せようと懸命に働いていた。そしてついに、りんが新潟から東京の一ノ瀬家に帰ってくる日がやってくる。
赤痢との闘いで得た経験を胸に、再び歩み始める2人。第20週では、仕事と家族、そしてそれぞれの人生に新たな転機が訪れる。
朝ドラ「風、薫る」第19週「黎明の翼」(第91~95回)ストーリー展開【振り返り】
第19週では、赤痢の集団感染を通じ、感染症への偏見や地域医療の現実、看護婦の使命が描かれた。りんと直美は患者を救うだけでなく、人々の意識も変えようと奮闘し、大きく成長した。
【以下、ネタバレ】
東京へ帰る直美たちを見送った朝、りんが寮へ戻ると、黒川病院の医師・黒川勝治(平埜生成)が待っていた。近くの村で赤痢が発生し、すでに死者も出ていることから同行を依頼されたりんは、一度は断る。しかし恩師バーンズ(エマ・ハワード)の「看護とは何か? 問われているのは私自身である」という言葉を思い出し、現場へ向かう決意を固めた。
避病院は急ごしらえで、不衛生な環境のなか患者があふれていた。りんは看病婦たちに「私たちは絶対に感染しないことが患者さんを救う第一歩」と呼びかけ、換気や掃除、消毒を徹底。感染対策の知識を共有しながら看護の指揮を執った。
村では、長太郎(渋谷そらじ)の母・アサ(美山加恋)が赤痢を発症。父・太助(板橋駿谷)は避病院への搬送を拒むが、コレラで父を亡くし、感染者への偏見を知るりんは「私にも娘がいます。それでもこの村に来たのは、生きてほしいからです」と説得し、黒川とともにアサを搬送した。
しかし村人たちは「医者が病気を広めている」と誤解し、りんたちに石を投げつける。黒川は排せつ物を適切に処理し清潔を保つことこそ感染拡大を防ぐ医療だと訴え、りんも衛生管理の重要性を伝えた。
避病院では、東京から来た患者・柳生藤次(中村倫也)が感染源だと疑われ孤立していた。りんは「怖くていいんです。ちゃんと怖がりながら看護しましょう」と看病婦たちを励まし、患者への偏見ではなく正しい知識で向き合う姿勢を示す。
そこへ東京へ戻ったはずの直美が駆け付ける。さらに新聞記者・横沢公輔(井上祐貴)も取材を兼ねて現場に加わり、感染症への理解を広げようと協力。柳生を拒絶する患者たちに、直美は「院内での差別を私たちは決して認めません」と毅然と訴えた。
患者は増え続け、避病院は限界を迎える。直美は村に出て炊き出しへの協力を呼びかけた。当初は冷たかった村人たちも次第に心を動かされ、女性たちが炊き出しに参加。男性たちも力仕事で協力するなど、感染症との闘いは、村全体が支え合う姿へと変わっていった。
一方、重症のアサはなかなか回復しない。母を思う長太郎が病室へ向かって「おっかー! 待ってるから!」と必死に呼びかけると、その声に涙を流したアサは、りんの手を力強く握る。りんは「気をしっかり持って! 家に戻りましょう」と励まし、命のぬくもりを改めて実感した。
約1カ月後、流行は収束へ向かい、軽症患者が退院した。柳生は内務省衛生局の調査員だったことを明かし、「死亡率を1割に抑えられた目覚ましい事例」と高く評価。りんたちの取り組みは大きな成果として認められた。
避病院での活動を終えたりんは、患者に触れることへの恐怖を直美に打ち明けながらも、「アサさんに握られた手が温かくて、生きていることがうれしかった。もう一度、看護婦として一緒に働きたい」と本心を告白。直美も東京で派出看護が思うように進んでいない現実を明かすが、りんの娘・環(英梨)を高等小学校に通わせるための資金問題がネックになる。そこへ黒川が現れ、りんに黒川病院で1年間、看護婦の育成に携わってほしいと提案。月12円の給金と住居を用意すると約束し、環を高等小学校へ通わせられる道筋を示した。りんは申し出を受け入れ、直美はその間に恵風看護婦会を立て直すことを約束する。
りんは女学校を退職し、看護婦として再出発する決意を固めた。高越日報には看護婦の活躍で赤痢が終息した記事が掲載される。りんは執筆した横沢に感謝。横沢自身も東京の新聞社へ移ることを報告した。
赤痢との闘いを経て、りんと直美は再び同じ未来を目指すことを誓った。第20週では、東京を舞台に、看護婦として、そして1人の女性として新たな人生を歩み始める2人の姿が描かれる。

