高校生になった息子は、何を話しかけてもそっけなく、私は寂しさを感じていました。直接言葉にすると嫌がられてしまうため、伝えたい思いを弁当に添えた短いメモに託すことにしました。
会話が減った息子
中学生のころまでは、学校であったことや友人の話をしてくれていた息子。しかし高校生になると、家でほとんど話さなくなりました。
「今日は学校どうだった?」「部活、遅くなるの?」と声をかけても、「別に」「うるさい」と返されるばかり。息子にも息子なりの事情があるのだろうと思いながらも、以前のように会話ができないことを寂しく感じていました。
心配していることを伝えたくても、話しかければ機嫌を悪くさせてしまいます。次第に私は、必要なこと以外は声をかけないようになっていきました。
弁当に添えた短いメモ
ある朝、いつものように息子の弁当を作っていたときのことです。前の晩も遅くまで勉強していた息子のことが気になり、小さな紙に「無理しすぎないで」とだけ書きました。直接言えば、また「うるさい」と言われるかもしれません。けれど、メモなら読んでもらえるかもしれないと思い、弁当箱の上にそっと添えたのです。
その日の夜、息子は何も言わずに空の弁当箱を台所へ置きました。メモについての反応もありませんでしたが、捨てずに紙が弁当袋の中に入っているのを見つけ、少しだけうれしくなりました。
それから私は毎日ではなく、時々「今日もお疲れさま」「寒いから気を付けて」と短いメモを添えるようになりました。返事を求めず、伝えるだけでいいと思うことにしたのです。

