俳優の仲野太賀が主人公の豊臣秀長を演じるNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」(総合ほか)の第31回が16日に放送される。第30回(9日放送)では、清須会議で羽柴筑前守秀吉(池松壮亮)がライバルの重臣たちを出し抜き、織田家筆頭の座を手に入れた。一方、秀吉の野望を危惧する市(宮﨑あおい)は、柴田勝家(山口馬木也)と婚姻することで対抗する道を選んだ。第31回では、織田家当主となった三法師(清水伊織)が連れ去られ、家中の主導権争いがさらに激化。のちの賤ケ岳の戦いへとつながる対立が、いよいよ表面化していく。
大河「豊臣兄弟!」第31回「これで、お別れにございます」(8月16日放送予定)見所解説
清須会議後の秀吉の行動が織田家中に波紋を広げるなか、市は秀吉に対抗するため勝家に嫁ぐ。さらに亡き織田信長(小栗旬)の三男・信孝(結木滉星)が幼い三法師を岐阜へ連れ去ったことで、水面下の主導権争いが激化する。小一郎長秀(仲野)は三法師を取り戻すべく重臣らの協力を仰ぐが、拒絶されてしまう。そこで「信長の葬儀を行う」という名目で関係者を集め、話し合いをしようとする。
注目は、織田家の主導権を握った秀吉に対する勝家や信孝らの動き。市の婚姻と三法師をめぐる騒動が、織田家の勢力図を大きく変えていくことになりそうだ。
大河「豊臣兄弟!」第30回(8月9日放送)ストーリー展開(振り返り・ネタバレあり)
第30回は、信長亡き後の後継者問題をめぐり、秀吉が政治的な主導権を握っていく過程を描いた。特に、清須会議の前夜に秀吉が勝家らと合議制をまとめ、三法師を織田家の後継者として支える体制を整える流れは、史実として知られる「清須会議」をドラマ独自の人間関係と駆け引きを交えて描いたもの。さらに、市と勝家の結婚話が動き始めることで、今後の秀吉と勝家の対立を予感させる展開となった。
【以下、ネタバレ】
天正10(1582)年6月、信長の後継者と領地の分配を決める評定が、尾張の清須城で行われることになった。後継ぎは、信長とともに死んだ嫡男・信忠(小関裕太)の息子で、わずか3歳の三法師と決まっていたが、元服するまで名代を誰が務めるかが争点。信長の一門衆筆頭の信雄(山脇辰哉)は失策続きで信長からも見限られていた一方、三男の信孝は、山崎の戦いの功績を盾に、己こそが名代にふさわしいと主張したが、どちらも織田家を任せるには頼りない。
清須城に出向いた秀吉は、まず市と面会した。愛する兄を亡くし、深く傷ついた市はすっかりやつれ、信長からもらった文を読み返して思い出にふける日々を送っていた。「あの頃に戻りたい。先のことなどどうでもよい」と悲嘆に暮れる市に、秀吉は信長の遺志を継ぐと宣言。力を貸してほしいと頼み込んだ。
秀吉は、同行させた小一郎に競合となる重臣たちへの探りを入れさせた。丹羽長秀(池田鉄洋)は腹の内を明かさず、池田恒興(堀井新太)は信雄を推した。小一郎は、信雄のもとへ出向き、鎌をかけると、摂津を与える代わりに自分を推すよう恒興に根回ししていたことがわかる。勝家は、信長も買っていた信孝を推すとみられた。小一郎から報告を受けた秀吉は、信雄と信孝を抜きにして、勝家、長秀、恒興に声をかけ、評定の前夜に4人で密談を開いた。しかし、信雄と信孝のどちらを推すかでは意見がまとまらず、秀吉はこの4人の合議制で三法師の後見役を担う案を提案したうえで、ただ1人、織田家との関係が希薄な勝家に、市を娶るよう勧める。すでに市は説得済みだと伝える秀吉に、かねて市に密かな思いを抱き、彼女のつらさを誰よりも理解していると自負する勝家は、「どのようなことになろうとも、うぬの言いなりにだけはならぬ!」と激怒した。
そこに、小一郎がやってきて、三法師が行方不明になったと知らせる。信雄が三法師の世話係の侍女(森寧々)と組んで連れ去ったのではないかと聞かされた秀吉らは、早速城内を捜索し、物置部屋に匿われていた三法師を発見。小刀を振り回して抵抗する侍女を撃退し、無事、三法師を救い出した。それぞれ織田家中で出世し、しのぎを削る関係になっていた4人は、久しぶりに力を合わせて窮地を乗り越えたことで昔を思い出し、結束して三法師を支える秀吉の案に合意。翌日の清須会議で正式に承認された。
その数日後、京の妙覚寺で家督を継いだ三法師の初お目見えが行われた。清須会議で畿内の主要地を手に入れ、家中最大の勢力となった秀吉は、腹を下したという名目で欠席すると見せかけ、三法師を抱えて登場した。三法師を首座に座らせると、隣に並んで座り、「これからは織田家筆頭家老となったこの羽柴秀吉が、ここにいる者たちとともに力を合わせて、三法師様をお支えいたしまする!」と高らかに宣言。三法師が「うむ、頼りにしておるぞ、秀吉」と事前に練習したとおりに述べると、「ははあ! この羽柴秀吉に、すべておまかせくださりませ! よいな皆の衆!」と呼びかけ、勝家らは出し抜かれた悔しさと怒りに身を震わせつつ平伏した。
そして後日、市は勝家を呼び出し、「やらねばならぬことができた」と切り出すと、「私を娶れ」と命じて驚かせた。

