女優の見上愛が一ノ瀬りん、上坂樹里が大家直美という2人のヒロインを演じるNHK連続テレビ小説「風、薫る」(総合など)の第97回が11日に放送される。直美が立ち上げた「恵風看護婦会」は、経済的な理由で看護を受けられない人にも手を差し伸べる「無料看護」に乗り出す。一方、東京に戻ったりんのもとには、思わぬ人物が訪ねてくる。新潟での赤痢防疫を経て、再び東京で歩み始めたりんと直美の看護が、次の段階へ進む回となりそうだ。
朝ドラ「風、薫る」第97回(8月11日放送予定)見所解説
反町登勢(前田亜季)が貧しい暮らしをしていると知った直美は、登勢の夫・四郎(岡部尚)の看護を無償で引き受ける。一方、りんの元には思わぬ来訪者が現れる。
第97回で注目したいのは、恵風看護婦会が「依頼を受けて看護する仕事」から、経済的な理由で看護を受けられない人にも手を差し伸べる存在へと踏み出す点だ。
第96回では、直美が恵風看護婦会を軌道に乗せ、りんも新潟での経験を携えて看護の現場に復帰した。異なる場所で経験を積んできた2人が再び東京でそろった今、直美が掲げる看護の理念が、どのように形になっていくのかが見どころとなる。
また、りんのもとを訪れる人物が誰なのかにも注目したい。新潟での経験を経て、看護婦として再出発したりんの人生に、どのような変化をもたらすのか。仕事だけでなく、家族や人間関係を含めた「新たな一歩」が描かれることになりそうだ。
朝ドラ「風、薫る」第20週「家族のかたち」(第96~100回)ストーリー展開【振り返り】
新潟での赤痢防疫から約1年を経て、りんが東京へ帰ってきた。直美が立ち上げた「恵風看護婦会」は看護婦も依頼も増えて経営が軌道に乗り、りんも再び看護の現場へ。久々に一ノ瀬家の家族がそろい、りんの娘・環(英梨)は「お母さんたち、やっとそろった」と喜ぶ。
一方、シマケンこと島田健次郎(Aぇ! group・佐野晶哉)とりんの関係には進展がなく、直美はやきもき。そんななか、恵風看護婦会には「お金がなくても看てくれると聞いて…」と、無償看護を求める登勢が訪れた。
【以下、ネタバレ】
新潟での赤痢の防疫から約1年後の明治24(1891)年、直美が始めた派出看護の仕事「恵風看護婦会」は看護婦も依頼も増え、経営は軌道に乗っていた。そんななか、ついにりんが大荷物を背負って新潟から東京に戻ってきた。りんの母・美津(水野美紀)、りん、直美、りんの妹で槙村家に嫁いだ安(早坂美海)、環がそろって久々の食事をし、環がにっこり笑いながら「お母さんたち、やっとそろった」と言った。
その晩、直美はりんから、シマケンとは、新潟の日本海で会って以来、手紙のやり取りだけはしていたものの、特に進展はないと聞き、がっかりする。そして、りんに改めて言った。「約束、ちゃんと守ったよ。恵風看護婦会、見事業績上昇。しっかりお給金払えるから安心して」。りんは「思いっきり働かせてもらいます」と述べた。
翌朝、りんは柳田しのぶ(木越明)らにあいさつ。梅岡女学校付属看護婦養成所で一緒に看護を学んだしのぶは、りんとの久々の再会を喜んだ。直美によると、新潟で看護した内務省の役人・柳生藤次(中村倫也)の協力もあり、申し込みが増えているという。直美は、貧しい人々への無料看護を始めようと意気込んでいた。りんは早速、5日程度の泊まり込みの看護を担当することになった。
土曜に休みを取った直美は、団子屋で小川吾郎(甲斐翔真)と会い、楽しそうにりんのことを話した。吾郎は「直美さんの大好きなりんさんに、いつかお会いしてみたいものです」と返すが、美津の体調があまりよくないため、直美は早めに帰宅することにした。立ち上がると、草履の鼻緒が切れてしまう。小川は鼻緒を直そうとするが、力を入れすぎて逆に壊してしまい、仕方なく直美をおんぶして一ノ瀬家へ送った。別れ際、吾郎は名残惜しそうに直美を見つめ、直美もぎこちなく吾郎を見送った。
数日後、恵風看護婦会に無償の看護を希望する反町登勢(前田亜季)がやって来た。「ごめんください…。ここは、お金がなくても看てもらえると聞いて…」。直美は「お待ちしてました!」と目を輝かせた。
ここで重要なのは、恵風看護婦会が経営を安定させるだけでなく、そこで得た力を「看護を必要としている人」に広げようとしていること。直美が目指す無料看護は、看護婦会の仕事の幅を広げるだけでなく、誰が看護を受けられるのかという問題にも踏み込む新たな挑戦となる。りんは、新潟で感染症の現場に立ち、患者を救うことの意味を改めて実感。直美は、東京で派出看護の仕組みを築き、貧しい人への看護にも乗り出そうとしている。第97回では、そんな2人がそれぞれの経験を持ち寄り、看護という仕事をさらに広げていく姿が描かれることになりそうだ。

