●性的目的でなく風俗店に通った理由とは
弁護人からの被告人質問では、冒頭から本題に迫った。
弁護人:今回、犯行を行ったきっかけは何だったのでしょう。
被告人:最初は、「自分が見栄を張りたい」「いいカッコをしたい」という思いがあり、なぜしたのか今でもずっと自問自答しています。
弁護人:横領したうち、かなりの額を風俗店に使っていますが、これも見栄なんですか。
被告人:情けない姿を見せられない思いがあり、仕事のストレスとか家族や友人に話せず。風俗店では客として扱ってくれるので…。
性的な目的でなく、精神的な拠り所だったという趣旨の説明だった。
●1億円超の横領を認めるも…弁済は3割届かず
また、起訴された5200万円についても、実際には「1億円をはるかに超える額」を横領したと証言。通帳を破ったためか、総額も把握できていないという。
前の会社で横領した700万円は母親が返済し、今回も母親から借りた金銭と生命保険の解約金などで1293万円を返済した。
このうち10万円は、保釈後に日雇いの仕事でなんとか捻出したものだった。しかし、5200万円の3割にも届かない。
被告人は何度も声を振り絞りながら、1日でも早く被害弁済できるよう努める意思を示した。しかし、その道のりはなお遠い。

