●「そんなことある?」と思いきや…田舎あるある
「そもそも、頼まれていないのに他人の物を管理するなんて、そんなことあるのだろうか」と疑問に思う人もいるかもしれない。
とくに近隣との交流が乏しい都市部や、マンション暮らしの人には、なかなか想像しにくい話だろう。
しかし、地方で暮らしていると、こうした「頼まれていないけど、やってあげる」というご近所付き合いは、意外と珍しくない。
栃木県の山間部在住で農業を営むAさんは「よくあることです」と話す。
「ご近所さんとは全員顔見知りで、困ったことがあると助け合う文化があります。たとえば、我が家の物置小屋を解体した際に出た廃材を庭に放置していたら、隣家の方が『処分したいなら、うちの廃棄物と一緒に持って行ってやろうか?』と言ってくれました。仕事から帰ってくると、きれいさっぱり撤去してくれていて、非常にありがたかったですね」
同じく栃木県に住む筆者も、似たような経験がある。
近所の男性から「うちの庭に除草剤をまくついでに、お宅の道路沿いの草にもまいてあげようか?」と言われたり、伐採して処分したいと話していた木を持って行ってくれたりした。
東京のマンションに住んでいた頃には考えられなかった交流だが、こうした「やってあげよう」という善意からの行為はままある。そして、助け合いそのものが、地域のコミュニケーションの一つになっていると感じる。
●「いくら払う?」法律より悩ましいご近所付き合い
双方が「助かった」「やってよかった」で終われば、もちろん何の問題もない。
ただ、頼んだわけでも、料金を決めたわけでもないからこそ、別の悩みが生まれることもあるという。
前出のAさんはこう話す。
「善意でやってくださっていることで、私としても大変助かるのですが、業者さんに頼むのとは違って、料金表がないですよね。
そうなると、やってくれた行為に対して『どんなお返しが妥当だろうか』『実費として金銭を渡すなら、いくらくらい包むのが適当だろうか』と悩んでしまいますね。
『よくしてあげたのに、◯◯さんちはケチだ』と、近所の方に思われたくないので…」

