●ご近所の善意には「料金表」がない
業者なら、見積もりを取り、料金を払えばそれで終わる。しかし、ご近所の善意には「料金表」がない。
だからこそ、助けてもらった側は「いくら払えばいいのだろう」と悩み、助けた側も「どこまで請求していいのだろう」と迷う。
善意から始まったはずなのに、お金が絡んだ途端、人間関係まで難しくなってしまう。
「勝手にやったのだから、1円も払わない」で済むとは限らない。一方で、「やってもらったのだから、言われた金額を全部払わなければならない」とも限らない。
もっとも、実際のご近所付き合いでは、民法の条文だけでは割り切れないこともあるだろう。
Aさんが気にしていたのは、法律上いくら支払う必要があるか以上に、「ケチだと思われたくない」ということだった。
民法は「事務管理」というルールを用意している。
しかし、法律が決めてくれているのは、あくまで「どこまで支払う義務があるのか」という一線まで。
その先の「ご近所価格」をいくらにするかまでは、さすがの民法にも書いていない。

