「足は8本、腕は10本」!? 生態やスミにもあるタコとイカの明確な違い
暑さで食欲が落ち、そうめんなどの炭水化物に偏(かたよ)りがちな夏場、手軽にタンパク質を補給できる食材として重宝するのが「タコ」と「イカ」です。同じ軟体動物でありながら、生態や見た目だけでなく、含まれるミネラルやビタミンの栄養成分にも明確な違いが存在します。今回は、栄養士が、タコとイカの栄養価の違いや夏の栄養補給に向いている理由、効果的なおすすめレシピについて詳しく解説します。
夏祭りや屋台のタコ焼き・イカ焼きでもなじみ深い両者ですが、分類や性質には興味深い違いがあります。日本近海に約60種生息し夏に親しまれるマダコは、海外では「デビルフィッシュ(悪魔の魚)」と呼ばれ、食べる習慣を持つ国は日本や韓国、イタリア、スペインなどに限られます。一方のイカは世界で約500種、日本近海で約130種が存在し、スルメイカやケンサキイカなどが刺身や天ぷら、焼き物など幅広く食されています。

同じ軟体動物でも、海底を這(は)うタコは「足が8本」、水中を泳ぐイカは「腕が10本」と呼び分けられます。また、イカの吸盤内部には獲物を捕らえるリング状の歯「角質環(かくしつかん)」が存在するのに対し、タコにはありません。

さらに、サラサラして墨袋を取り出しにくいタコスミに対し、イカスミは粘り気があり墨袋を取り出しやすいため、パスタなどの料理へ活用しやすいという特徴もあります。

【栄養比較】ミネラル豊富なタコ、ビタミン&抗酸化のイカ! タンパク質量も検証
可食部100gあたりの栄養価(文部科学省『日本食品標準成分表(八訂)増補2023年』より)を比較すると、マダコ(生)は70kcal・タンパク質11.4g、スルメイカ(生)は76kcal・タンパク質13.4gとなっており、どちらも脂質0.3gと非常に低脂質・高タンパク質です。
栄養素の強みを比較すると、マダコは筋肉や神経の働きを保つマグネシウム(55mg)や、貧血予防に役立つ鉄(0.6mg)、銅(0.38mg)、カルシウム、ビオチンが多く含まれており、ミネラル補給力に優れています。
一方のスルメイカは、タンパク質の代謝に関わるビタミンB6(0.21mg)や赤血球の形成を助けるビタミンB12(4.9μg)などのビタミンB群に加え、強い抗酸化作用を持つセレン(41μg)やビタミンE(2.1mg)が豊富に含まれています。

