食道がんを発症し背中の痛みも伴う場合のステージ分類とは?
進行がん(ステージⅡ以上)
がんの進行度は、がんの深さ(T)、リンパ節への転移の有無と範囲(N)、他の臓器への遠隔転移の有無(M)を組み合わせて決定され、多くはステージ0からステージIVの5段階に分類されます。
背中の痛みがある場合、前述したように、がんが食道の壁を越えて周囲の組織に浸潤している(T3以上)、あるいはリンパ節や遠隔臓器に転移している可能性が非常に高いと考えられます。これは、一般的にステージⅡ以上の進行がんに分類される状態です。
この段階になると、治療はより複雑になります。手術だけでなく、化学療法(抗がん剤治療)や放射線治療を組み合わせた「集学的治療」が必要となることがほとんどです。また、背中の痛み以外にも、声がかすれる(反回神経への浸潤)、頑固な咳や血痰(気管や肺への浸潤)、著しい体重減少など、全身に様々な症状が現れることがあります。痛みを和らげるための緩和ケアも、治療の重要な柱となります。
「食道がんと背中の痛み」についてよくある質問
ここまで食道がんと背中の痛みの関係性などを紹介しました。ここでは「食道がんと背中の痛み」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
食道がんを発症すると体のどこに痛みを感じることが多いのでしょうか?
齋藤 雄佑 医師
食道がんによる痛みは、がんの進行度や発生した場所によって異なります。最も重要なことは、早期の食道がんでは痛みなどの自覚症状はほとんどないということです。がんが進行してくると、まず感じやすいのは胸の奥の痛みです。専門的には「胸骨後部痛」と呼び、胸の真ん中の骨の後ろあたりに、しみるような、あるいは締め付けられるような痛みとして感じられます。これは、食べ物を飲み込んだときに特に感じやすい症状です。さらにがんが食道の壁を越えて周囲に広がると、この記事で詳しく解説したように背中の痛み、特に肩甲骨の間あたりに痛みを感じることがあります。これは、がんが進行している可能性を示す重要なサインです。また、がんが声帯を動かす神経に及ぶと喉の痛みや声のかすれ、気管や肺に及ぶと持続する咳、骨に転移すればその部位の痛み(背骨や腰など)が生じることもあります。痛みの感じ方や場所は様々ですが、いずれにしても何らかの痛みが続く場合は、安易に考えず専門医に相談してください。

