遠い深海の世界、実は私たちの食卓ともつながっている
今回の航海では、この新種だけでなく、まだ正式に記載されていない複数のクシクラゲ類なども記録されました。これまでカリフォルニア湾でしか確認されていなかったサイフォノフォアも見つかるなど、深海にはまだ知られていない多様性が広がっています。
では、こうした深海生物は私たちとは無縁なのでしょうか。
実はそうとも言い切れません。深海に暮らす生物の中には、夜になると餌を求めて海の浅い場所まで移動するものがいます。この移動によって深海と浅海の生態系が結び付けられ、マグロやメカジキなど、人間にもなじみ深い魚の餌にもなっているといわれます。
研究チームはROVだけでなく、昼間はスキューバダイビング、夜はトロール網を使い、異なる深さに暮らす生物を採集。姿や体の構造を調べるだけでなく、ゲノム解析なども組み合わせながら、海の生物多様性を明らかにしようとしています。
透明な体を持ち、漆黒の海で不思議な光を放つ生き物たち。異星の生命のようにも見えますが、ハドック氏によれば、その中には人間よりはるかに多く存在している生物もいる可能性があるそうです。水深1800メートルを超える場所で見つかった小さな新種は、広大な深海について人類が知っていることが、まだほんの一部にすぎないことを物語っています。
参照
MBARI(Monterey Bay Aquarium Research Institute)「MBARI researchers complete expedition to study deep-sea jellies in Southern California」

