
ドライアイを放置するリスクとは?(画像はイメージ)
【画像】「えっ…!?」 これが「ドライアイ」の改善に効果的な食べ物です!
暑さが厳しい日が続いており、熱中症に注意が必要です。暑さ指数(WBGT)が31以上の「危険」では、外出をなるべく避け、涼しい室内で過ごすことが推奨されています。熱中症を防ぐためにも、冷房を適切に使う必要があります。
そんな中、いわみ眼科(兵庫県芦屋市)理事長で眼科医の岩見久司さんによると、夏の屋内は「ドライアイ」になりやすい環境であり、注意が必要だといいます。ドライアイを放置するリスクや対策について、岩見さんが解説します。
夏の室内は「ドライアイ」になりやすい条件がそろう
まず、冷房の効いた部屋に長時間いると、なぜドライアイになりやすいかを説明します。
冷房は室内を乾燥させます。エアコンは空気を冷やす過程で、空気中の水蒸気を結露させ、その水分を室外へ排出します。そのため、真夏でも冷房の効いた室内は意外に乾燥することがあります。
そして、もう一つ重要なのが「風」です。目の表面は、非常に薄い涙の膜で守られています。洗濯物に風を当てると早く乾くように、目に風が当たり続けると涙の蒸発も速くなります。
実際に、人の目へ一定の気流を5分間当てた研究では、もともと涙が不安定なドライアイの人で、目にたまっている涙の量が有意に減少しています。
エアコンだけではありません。扇風機やサーキュレーター、車の送風口、ハンディーファンなど、目に直接風が当たれば同じことが起こり得ます。
さらに、夏はパソコンやスマートフォンを見る時間が長くなりやすい季節です。画面を集中して見ていると、人はまばたきの回数が減ります。また、まぶたを最後まで閉じきらない「不完全なまばたき」も増えることが報告されています。
まばたきには、目の表面に新しい涙を広げる「涙のワイパー」のような役割があります。
そのため、画面に集中してまばたきが減ると、涙が目の表面に広がりにくくなり、乾燥した室内で涙が蒸発します。さらに直風で蒸発が加速するという流れが生じるのです。
私は、エアコンや扇風機、ハンディーファンなどの風が目に直接当たり、涙が急速に乾く状態を、分かりやすく「直風ドライ」と呼んでいます。暑さから体を守るために室内へ入ったら、デジタル機器の長時間の使用や冷房による乾燥で今度は目が乾くという、こうした「乾燥の重ね技」が起こりやすいのです。
ドライアイが悪化すると日常生活に支障
そもそも、ドライアイは、単に「涙が少ない病気」ではありません。目の表面を覆っている涙の膜が不安定になり、涙がすぐに切れたり、角膜や結膜に炎症や傷が生じたりする状態です。症状も「乾く」だけではありません。「ゴロゴロする」「しみる」「痛む」「目が疲れる」「まぶしい」「涙が出る」「かすんで見える」など、さまざまな症状が現れます。
特に、「まばたきした直後は見えるのに、数秒するとぼやける」というケースは、ドライアイでよくみられます。
黒目の表面にある角膜と、その上を覆う涙の膜は、目に入る光をきれいに屈折させる役割を担っています。
ところが涙が途中で切れると、目の表面が光学的にデコボコした状態になり、「文字がにじむ」「ピントが安定しない」「光がまぶしい」といった見え方の変化が起こります。
つまり、ドライアイは単なる「目の不快感」の問題ではなく、見え方にも影響する病気です。
多くは涙の状態による一時的な視力の変動ですが、乾燥が強くなって角膜に傷ができれば、実際の視力検査でも視力が低下することがあります。
ドライアイの初期症状は「夕方になるとかすむ」「目が疲れる」「コンタクトレンズが張り付く感じがする」といった程度です。さらに乾燥が強くなると「ゴロゴロする」「痛い」「赤い」「涙が止まらない」「光がまぶしい」といった症状が現れます。
程度が強ければ、角膜表面を覆っている角膜上皮がはがれる「角膜びらん」を起こすこともあります。分かりやすくいえば、眼の表面の「皮がむけた」ような状態です。
強い痛みや流涙、まぶしくて目を開けられないといった症状がある場合は、単なる乾燥と思わず、眼科を受診してください。
