●本人が書いた陳述書などの書面
訴訟記録には、夢月さん本人が書いた書面が複数含まれている。訴状には、「訴訟代理人による校正を一切加えていない」と記されている。
夢月さんは経済的な理由で大学進学を断念し、アルバイトで生計を立てていた。20歳になる直前には母親を亡くした。
そんな中、「藁にもすがる気持ちで」オーディションに応募したという。
2019年1月にデビューした夢月さんは、「魔界訛り」と呼ばれる独特の話し方などで支持を集め、2020年6月にはチャンネル登録者数が30万人に達した。
しかし、問題となった動画が投稿されると、SNSやネットの中傷が急増した。
夢月さんは2020年10月21日に活動を休止。その後、復帰できていない。訴状によると、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、うつ病、社会不安障害と診断されたという。
●「私の時間はとまったままです」
活動休止後の生活は、孤独で苦しいものだったという。2024年11月に書かれた陳述書は、こんな言葉で始まる。
「私は今、先がまったく見えない生活をしています。4年前同じ位置に立っていた同僚たちは私の遥か先に行ってしまいました。私の時間はとまったままです。鳴神にデマを流されてから死にたくなるような酷い苦しい目に合ってきました」
VTuberに対する権利侵害が「中の人」に対する権利侵害にもなると認めた判例は、発信者情報開示の手続きに取り組み始めた当時には存在しなかったという。
相手を特定するまでに長い時間がかかった経緯も、書面には記されている。
仕事がキャンセルとなり、何万件もの誹謗中傷や脅し、殺害予告、人格を否定する言葉を浴び続けてきたとして、こうつづっている。
「無責任に流されたデマは一瞬で私の人生をめちゃくちゃにしてしまいました」

