内容への受け止めは?
編集部
国立がん研究センターの研究員らが発表した内容への受け止めを教えてください。
春日先生
今回の研究で最も重要なのは、アレルギーや喘息の既往があっても、がん全体の発症リスクが明らかに高くなるわけではなかったという点です。花粉症や喘息のある人が、この結果を見て過度に心配したり、必要な治療を中断したりする必要はありません。一方で、甲状腺がんや、特定の性別・喫煙歴における大腸がん、子宮頸がんとの関連も報告されました。ただし、これらは多数の部位やサブグループを解析する中で得られた結果であり、偶然に関連が認められた可能性もあります。また、アレルギーや喘息の有無は自己記入式の質問票に基づいており、病型や重症度、発症時期、治療薬の内容なども十分には評価できていません。この研究だけで、アレルギーや喘息がこれらのがんの原因になると結論づけることはできません。
現時点では、アレルギーや喘息があることを理由に、通常とは異なるがん検査を追加する必要はないでしょう。それよりも、禁煙、節度ある飲酒、適正体重の維持、感染対策、年齢や性別に応じて推奨されるがん検診など、効果が確立している対策を続けることが大切です。今後、アレルギーの種類や重症度、治療内容などを詳しく考慮した研究によって、今回示された関連が再現されるかを検証する必要があります。
編集部まとめ
今回の研究では、アレルギーや喘息の既往と、がん全体の発症リスクとの間に明確な関連は認められませんでした。一部のがんとの関連も示されましたが、探索的な解析結果であり、因果関係が明らかになったわけではありません。アレルギーや喘息がある人も、過度に心配せず、必要な治療を継続することが大切です。
がん対策としては、禁煙、節度ある飲酒、バランスのよい食事、適度な運動、適正体重の維持、感染予防など、科学的根拠が確立している方法を実践しましょう。さらに、年齢や性別に応じて推奨されるがん検診を受け、気になる症状が続く場合は早めに医療機関へ相談することが、早期発見につながります。
- 「花粉症治療」の副作用を大幅に軽減! 九州大学が新手法の開発に成功
──────────── - 「食物繊維」で花粉症などのアレルギーを抑制、東京理科大がメカニズムを解明
──────────── - 花粉症で目のかゆみや充血などの症状が出るメカニズム解明 順天堂大学ら研究グループ
────────────

