「食中毒」は治るまでどのくらいかかる?注意したい症状も解説!【医師監修】

「食中毒」は治るまでどのくらいかかる?注意したい症状も解説!【医師監修】

食中毒により頻回の下痢や嘔吐、腹痛などが続くと、いつ治るのか、受診した方がよいのか不安になる方もいるのではないでしょうか。

多くの食中毒は水分補給を行いながら経過をみることで軽快します。しかし、原因や患者さんの状態によっては重症化することがあります。この記事では、食中毒が治るまでの期間や症状の経過、医療機関を受診する目安を解説します。

居倉 宏樹

監修医師:
居倉 宏樹(医師)

浜松医科大学卒業。初期研修を終了後に呼吸器内科を専攻し関東の急性期病院で臨床経験を積み上げる。現在は地域の2次救急指定総合病院で呼吸器専門医、総合内科専門医・指導医として勤務。感染症や気管支喘息、COPD、睡眠時無呼吸症候群をはじめとする呼吸器疾患全般を専門としながら一般内科疾患の診療に取り組み、正しい医療に関する発信にも力を入れる。診療科目
は呼吸器内科、アレルギー、感染症、一般内科。日本呼吸器学会 呼吸器専門医、日本内科学会認定内科医、日本内科学会 総合内科専門医・指導医、肺がんCT検診認定医師。

食中毒が治るまでの経過と期間

食中毒が治るまでの経過と期間

食中毒は治るまでどのくらいかかりますか?

食中毒が治るまでの期間は原因によって異なりますが、一般的には数日から1週間程度で改善します。症状が2週間以上続く場合は寄生虫などの原因を調べ、1ヶ月以上持続するなら食中毒以外の消化管の病気も考える必要があります。
参照:『腸管感染症・最近の話題』(日本内科学会雑誌 110巻 9号)

原因によって治るまでの期間は違いますか?

原因によって治るまでの期間は異なります。細菌が作る毒素による食中毒や一部のウイルス性食中毒の多くは1〜2日で軽快する傾向にあります。一方、カンピロバクターやサルモネラなどの細菌が増えることによる食中毒は回復までに数日以上かかることがあります。
参照:『食中毒』(月刊地域医学 30巻 8号)

症状はどのような順番で治まっていくのか教えてください

回復に向かうと、まず嘔吐の回数が減り、水分をとれるようになることが多いです。その後、腹痛や発熱が落ち着き、便の回数や水っぽさが少しずつ改善します。ただし、血便、強い腹痛、尿が少ない、ぐったりしているなどの症状がある場合は、自然に治まるのを待たずに受診を検討してください。

回復を早めるための過ごし方と注意したい症状

回復を早めるための過ごし方と注意したい症状

回復までどのように過ごせばよいですか?

回復までの基本は、脱水を防ぎながら安静に過ごすことです。食中毒の治療は、軽症であれば補液や対症療法が中心とされています。下痢や嘔吐があると水分や電解質が失われやすいため、無理に食べることよりも水分を保つことを優先しましょう。

特に乳幼児や高齢の方は、吐いたものがお口の中に残ると、誤嚥したり窒息したりするリスクがあります。吐いた後は口腔内をきれいに保ち、休ませるときは仰向けではなく横を向いて寝かせた方がよいでしょう。

症状が強い間は、脂っこいものやアルコール、刺激の強いものの摂取は避けます。嘔吐がある場合は、吐き気が落ち着いてから少量ずつ水分をとり、食事は消化しやすいものから再開します。また、ほかの方にうつさないためにも、手指衛生を心がけ、トイレ後や調理前の手洗いを徹底することも大切です。

脱水を防ぐための水分のとり方を教えてください

脱水を防ぐには、一度にたくさん飲むよりも、少量をこまめにとることが重要です。嘔吐直後に多量の水分を飲むと、再び吐いてしまうことがあります。まずはスプーン1杯程度から始め、吐き気が強くならなければ少しずつ量を増やしていくのがよいでしょう。

下痢や嘔吐では水分だけでなく塩分などの電解質も失われます。経口補水液などを利用できる場合は選択肢になります。吐き気や嘔吐で水分をまったく受け付けない、お口の中が強く乾く、尿の量や回数が減っている、立ちくらみがある、子どもや高齢の方で元気がないといった場合は、点滴が必要になることもあります。

どのような場合に医療機関を受診すべきですか?

血便、強い腹痛、高熱、意識がぼんやりする、尿が少ない、水分をとれない、嘔吐を繰り返すなどの症状がある場合は受診を検討してください。特に、乳幼児、高齢の方、妊娠中の方、持病がある方、免疫が低下している方は脱水や重症化のリスクが高いです。

症状が軽くても、同じ食品を食べた複数の方に症状がある場合や、飲食店・給食などが関係する可能性がある場合は、医療機関や保健所への相談が必要になることがあります。

また、食中毒後に重篤な疾患を合併することもあります。
腸管出血性大腸菌による感染症は、貧血や血小板減少、腎不全や脳症をきたす溶血性尿毒症症候群を合併することがあります。乳幼児に多い病気で、激しい腹痛や血便を伴う下痢、嘔吐がある場合は、特に注意が必要です。これらに引き続き、顔色が悪くなり、尿が減ったり意識の状態が悪くなったりした場合はすぐに受診しましょう。

カンピロバクター感染症の数週間後には、ギランバレー症候群という神経の病気を発症することがあります。手足や顔面の神経麻痺をきたし、重症化すると呼吸筋が麻痺するケースもあります。感染がよくなったと思っても、しばらくは症状に注意しましょう。

配信元: Medical DOC

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