「食中毒」は治るまでどのくらいかかる?注意したい症状も解説!【医師監修】

「食中毒」は治るまでどのくらいかかる?注意したい症状も解説!【医師監修】

食中毒の経過についてよくある質問

食中毒の経過についてよくある質問

症状が治まっても人にうつることはありますか?

症状が治まってもほかの方にうつる可能性はゼロではありません。なぜなら、便から病原体が排出され続ける可能性があるからです。例えば、ノロウイルスは、便中へのウイルスの排出が1週間から1ヶ月程度続くとされています。サルモネラも、症状が改善した後も菌がしばらく便中に排泄される場合があり、食中毒が広がる原因となることがあります。

そのため、下痢や嘔吐が治まった後も、しばらくはトイレ後の手洗い、便や嘔吐物の処理、タオルの共有を避けるなどの対策が大切です。特に調理を担当する方は、周囲へ広げないための配慮が必要です。

参照:
『食中毒』(月刊地域医学 30巻 8号)
『サルモネラ属菌・その他の細菌性食中毒』(厚生労働省)

仕事や学校はいつから再開してよいですか?

症状の程度、原因、職場や学校のルールによって異なります。下痢や嘔吐、発熱が残っている間は、無理に登校・出勤せず休養することが望ましいでしょう。

食品を扱う仕事や、乳幼児・高齢の方と接する仕事では、症状が治まっても復帰の可否は慎重に判断しなければいけません。腸管出血性大腸菌感染症などの3類感染症は、飲食物に直接接触する業務について就業制限の対象になることがあります。復帰の目安は、医師や勤務先、学校の指示に従ってください。

参照:『食中毒』(月刊地域医学 30巻 8号)

市販の下痢止めを使ってもよいですか?

自己判断で市販の下痢止めを使うことは避けた方がよいことが多いです。食中毒の治療は水分を補うことが基本です。下痢止めは使用しない、または慎重に使うべきとされています。強い下痢止めが病原体や毒素の排出を妨げ、症状を悪化させる可能性が指摘されています。

特に血便、発熱、強い腹痛がある場合や、子ども、高齢の方、持病がある方は、市販薬を使う前に医師へ相談してください。下痢を止めることよりも、脱水を防ぐことを優先しましょう。

食事はいつから普通に戻してよいですか?

食事は嘔吐が落ち着いて水分がとれるようになってから少しずつ戻します。最初はおかゆ、薄めのスープなど消化しやすいものを少量から始め、腹痛や下痢が悪化しないか確認しましょう。

下痢が続いている間は、脂っこいもの、味の濃いもの、刺激の強いものなどは避けた方がよいでしょう。食べると症状がぶり返す場合や、数日たっても食事量が戻らない場合は、脱水やほかの病気が関係している可能性もあるため受診を検討してください。

編集部まとめ

編集部まとめ

食中毒が治るまでの期間は、原因によって1〜2日程度のものから数日以上かかるものまで幅があります。大切なのは、症状の期間だけで判断せず、血便、強い腹痛、高熱、脱水などの重症化のサインがないかを確認することです。
多くの場合、回復までの基本は水分と電解質を補いながら安静に過ごすことです。ただし、症状が治まった後も病原体を排出することがあるため、手洗いや調理時の衛生管理を続けましょう。市販薬の使用に迷う場合や学校・仕事への復帰は、医師に相談してください。

参考文献

『腸管感染症・最近の話題』(日本内科学会雑誌 110巻 9号)

『食中毒について』(公益社団法人全日本病院協会)

『食中毒』(月刊地域医学 30巻 8号)

『サルモネラ属菌・その他の細菌性食中毒』(厚生労働省)

『溶血性尿毒症症候群』(一般社団法人日本救急医学会)

『厚生労働省検疫所 カンピロバクターについて』(厚生労働省検疫所)

配信元: Medical DOC

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