中学生になった娘との会話が減り、私は親としての自信をなくしていました。何を話しかけてもそっけない反応ばかり。そんなある夜、何げなく送った短いメッセージに返ってきたひとつのスタンプが、今でも忘れられません。
会話が続かない毎日
小学生のころの娘は、学校であったことや友だちの話をよく聞かせてくれていました。しかし、中学生になると少しずつ口数が減り、家では自分の部屋にこもる時間が増えていきました。
「今日、学校はどうだった?」「何か困っていることはない?」と声をかけても、返ってくるのは「別に」「大丈夫」といった短い言葉ばかりでした。心配するあまり何度も話しかけると、「放っておいて」と不機嫌になることもありました。娘のためを思っているはずなのに、私が近づくほど距離が開いていくように感じたのです。
次第に私は、「育て方を間違えたのだろうか」「もう私には何も話したくないのかもしれない」と、親としての自信を失っていきました。
短いメッセージを送った夜
ある寒い夜のことです。娘は夕食を済ませると、いつものようにほとんど話さず、自分の部屋へ戻っていきました。
その日は特に冷え込んでおり、娘が薄い布団しかかけずに寝てしまわないか気になりました。しかし、部屋へ声をかけに行けば、また嫌がられるかもしれません。迷った末、私はスマートフォンから「今日は寒いから、ちゃんと布団をかけて寝てね」とだけメッセージを送りました。返事を求めるつもりはなく、読んでくれればそれでよいと思っていました。
ところが数分後、画面に通知が表示されました。娘から送られてきたのは、親指を立てた小さなスタンプひとつでした。

