【闘病】毎年人間ドックを受けていたのに『大腸がん』ステージ4「手術のしようがない」

【闘病】毎年人間ドックを受けていたのに『大腸がん』ステージ4「手術のしようがない」

遠藤さんは2023年、自覚症状のないまま大腸がんのステージIV(がんが大腸から離れた臓器へ転移している状態)と診断されました。発見のきっかけは、毎年受けている人間ドックの腹部超音波(エコー)検査で肝臓の異常が偶然指摘されたことです。肝転移を伴う進行がんと告知され、一度は「手術はできない」と言われながらも、セカンドオピニオンによって治療の道を切り開いていきます。再発を繰り返しながらも旅行や趣味を楽しみ、「今を楽しむ」ことを大切にしている遠藤さんに、発覚から診断、治療、現在に至るまでの道のりを聞きました。

※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2026年6月取材。

遠藤さん

体験者プロフィール:
遠藤礼子さん

1981年生まれ、会社員。大学生の子どもを持つシングルマザー。2023年、海外赴任からの帰国直後に受けた人間ドックでステージIVの大腸がんが見つかる。根治を目指して3度の手術に臨むも再発し、肝臓・肺・リンパ節に転移。治療と仕事を両立しながら、がんとの共存生活を続けている。

自覚症状のないまま見つかったステージIVの大腸がん

自覚症状のないまま見つかったステージIVの大腸がん

編集部

体に異変を感じたのはいつごろでしたか?

遠藤さん

はっきりとした不調や違和感はありませんでした。ただ、今思えば、診断される半年前くらいから夕方になるとおなかが妊婦並みに張るようになっていました。また、便秘と下痢を繰り返していた気がしますが、もともと便秘体質だったので普通のことだと思っていました。

編集部

受診から診断に至るまでの経緯を教えてください。

遠藤さん

会社の人間ドックの腹部(エコー)検査で「肝臓に何かあるように見える」と言われ、医療機関でCT検査をしたところ、肝臓に腫瘍があることが分かりました。しかし、「肝臓に最初に発生したがんとは考えづらい」とのことで周辺の臓器も調べた結果、大腸にがんが見つかり、肝臓の腫瘍は大腸からの転移だと判明しました。

編集部

どのような診断名だったのですか?

遠藤さん

医師数人から私と家族に、「S状結腸がん多発肝転移」と正式に告げられました。「肝臓にすでに複数転移しているので、ステージIV」と。病院では「手術は不可能で抗がん剤治療一択」とのことで、「原発巣(がんが最初に発生した場所)である大腸がんも手術しない」と言われましたね。ただ、「本当に原発巣の手術もできないのか?」と疑問に思いました。

編集部

告知を受けたとき、どのように感じましたか?

遠藤さん

ショックというより、「悪性腫瘍ってがんってこと?」「がんだったら仕事はどうなる?」「子どもは? お金のことは? 保険は? 家のローンは?」など、いろいろなことが頭をよぎって急に脳が忙しくなりました(笑)。現実味がなさすぎて割とあっけらかんとしていましたね。

セカンドオピニオンで切り開いた治療への道

セカンドオピニオンで切り開いた治療への道

編集部

その後、どうやって治療の道を探したのですか?

遠藤さん

納得できなかったので、セカンドオピニオンで手術をしてもらえる医師を見つけ、転院しました。
まずは大腸の病巣を腹腔鏡(ふくくうきょう)手術で切除し、3カ月かけてXELOX療法(複数の抗がん剤を組み合わせた化学療法)で腫瘍を縮小させてから、肝切除を受けました。

編集部

手術後の経過はいかがでしたか?

遠藤さん

手術後わずか3カ月で、肝臓に再発してしまいました。その後、4カ月間のXELOX療法を経て、再度肝切除を受けました。それでも3カ月後、再発。今度は肝臓、肺、リンパ節で、これまで根治を目指して伴走してきた医師に「手術はこれ以上できない」と言われました。がんになってから、一番つらい瞬間でしたね。
その後転院して、セカンドライン(最初の抗がん剤が効かなくなったときに切り替える2番目の治療)としてXELIRI療法(XELOXとは別の抗がん剤を組み合わせた化学療法)を3カ月受けましたが、こちらも割とすぐに効かなくなりました。現在は別の化学療法を受けています。

編集部

これまでを振り返って、後悔していることはありますか?

遠藤さん

人間ドックのオプションで腫瘍マーカー(がんの活動性を反映する血液検査の指標)を付けておけば、もっと早期に気付けただろうなと思いました(※)。腫瘍マーカーは反応する人としない人がいると聞きますが、私は病状の悪化と腫瘍マーカーの数値が素直に比例する体質だったみたいです。
あとは、自分の体をもっと大切にしてあげればよかったですね。昔からほとんど病気をしたことがなかったのをいいことに、仕事や勉強で無理をしたり、めちゃくちゃな食生活をしたり、睡眠不足だったりと、だいぶ体に負荷をかけてきました。今になって後悔しています。

※腫瘍マーカーは、がんの早期発見のための検査としては万能ではなく、反応しない場合もあります。一般的には大腸がん検診では便潜血検査や内視鏡検査が重要とされています

配信元: Medical DOC

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