視野を広げた宅建の“勉強”
新しい環境で生活に困窮しながらも軌道工として精一杯働く前田さんの姿に、今度は不動産事業部での仕事の話が舞い込みます。ただし中学校しか卒業していないため、国家資格である宅地建物取引士を取得するようにという条件も。こうして前田さんは人生で初めて、心から必要に駆られ勉強に取り組むことになりました。
見事、宅地建物取引士の資格を取得した前田さんは、同時に勉強によって人生を大きく広げていけるという成功体験も手に入れることになります。ほかの資格試験にも興味を持ち始め、そして今までは選択肢としてさえ持っていなかった「大学へ進学する」という道も頭に浮かぶようになりました。
医師を目指し、国立大学へ
大学進学を検討するうちに、前田さんは「医学部へ進む」という選択肢をはっきりとした目標に据えるようになっていきました。そして猛勉強の末、19歳で高等学校卒業程度認定試験に、21歳で島根大学の医学部に合格。奇しくも島根大学は、線路作業員として働きながらいつも目にしていた、しかし自分の人生とは無縁だと認識していた運命的な場所でした。
現在は眼科の1分野である、まぶた、涙道、眼窩など目の周りの組織を専門とする眼形成外科医として診療や手術に携わっている前田さん。前田さんによると、眼形成外科は、まぶた・涙道・眼窩などを扱い、見た目だけでなく、目元の機能にも関わる眼科の1分野だとのこと。ここまでの道のりでは周囲の人にとても恵まれてきたと振り返り、今度は自身の経験が少しでも若い世代への励みになればという思いから、SNSでの発信を続けているそうです。
前田さんは今回の投稿で、「15年もありゃ人は変わる」「大事な事は変化を楽しめるかだ」とつづり、あらゆる経験を前向きに吸収し挑戦することの大切さを強調。人生へ無限に広がる可能性を感じられるのは、自分の行動次第ということをあらためて思い知らされるようです。

