長年勤めた会社で定年を迎えた私は、再雇用制度を利用して働き続けることにしました。しかし、給与や立場が大きく変わったことで、以前と同じ仕事内容にもかかわらず、出社することさえつらくなっていったのです。年下の上司から受けたある指摘をきっかけに、私は定年後の自分の働き方を見つめ直すことになりました。
経験を生かせると思い、再雇用の道へ
私は長年、中堅メーカーの営業管理職として働き、それなりに実績を積んできました。定年後も自分の経験やスキルを生かしたいと考え、再雇用制度を利用して同じ会社で働き続ける道を選びました。
定年を迎えても、これまで培ってきたスキルや経験は変わりません。仕事を続けていれば、生活水準も大きく変えずに済むだろうと、当時の私は楽観的に考えていました。ところが、再雇用後に待っていたのは、想像していたものとは異なる現実でした。
半分近くになった給与と年下の上司
再雇用になった途端、給与は現役時代の半分近くまで下がりました。さらに、これまで就いていた役職から外れ、かつて私が指導していたひと回りほど年下の元部下が、新しい上司になったのです。
仕事内容は現役時代とそれほど変わりません。なのに、立場と収入だけが大きく変わったことを、私はなかなか受け入れられませんでした。「同じように働いているのに、なぜこれほど待遇が違うのだろう」とモヤモヤを抱えるうちに、毎朝会社へ向かうことが苦痛になっていきました。
ある日、年下の上司から、私が続けていた営業手法について、「効率が悪いので、今のシステムに合わせて変えてください」と強い口調で指摘されました。かつての部下から仕事の進め方を指摘されたことで、私は反論しそうになりました。しかし、その瞬間、「自分は過去の立場や実績にこだわっているだけではないか」と気付いたのです。

