橋本病の薬についてよくある質問

妊娠中や授乳中も薬を続けて大丈夫ですか?
妊娠中や授乳中も、レボチロキシンナトリウムは続ける必要があります。妊娠すると甲状腺ホルモンの必要量が増え、妊娠前の約1.5倍になることがあります。そのため、妊娠がわかった後に薬の増量が必要になる場合があります。妊娠中に甲状腺ホルモンが不足すると、流産や早産などのリスクが高まるだけでなく、胎児の脳や神経の発達に影響する可能性があります。妊娠前から治療を受けている方は、妊娠がわかった時点ですみやかに主治医へ伝え、血液検査でTSHやFT4を確認します。授乳中も、レボチロキシンナトリウムは乳児への影響が少ないとされているため、服用を続けながら授乳できます。
参照:『妊娠と橋本病』(国立成育医療研究センター)
薬の副作用にはどのようなものがありますか?
レボチロキシンナトリウムは、本来体内に存在する甲状腺ホルモンと同じ成分を補う薬です。適切な用量で服用している限り、アレルギーなどを除いて副作用はあまり問題になりません。気を付けたいのは、薬の量が多すぎる場合です。過剰投与になると、甲状腺機能亢進症に近い状態となり、動悸、頻脈、不整脈、手の震え、多汗、体重減少、不眠、強い倦怠感などが現れることがあります。高齢の方や心疾患のある方は、狭心症、心筋梗塞、心不全を誘発・悪化させるおそれもあります。
さらに、長期間にわたって薬の量が過剰な状態が続くと、骨密度の低下や骨折リスクにつながることがあります。こうした影響を防ぐには、定期的に血液検査を受け、自己判断で増減しないことが大切です。
編集部まとめ

橋本病で甲状腺機能が低下した場合は、レボチロキシンナトリウムによる補充療法を行います。不足している甲状腺ホルモンを補い、全身の代謝を保つための薬です。服用は1日1回が基本で、空腹時に水で飲むと吸収が安定しやすいとされています。ただし、実際の服用時間は処方どおりに続けましょう。鉄剤やカルシウム製剤などを併用する場合は、吸収に影響することがあるため服用時間をずらします。
薬をいつまで飲むかは、原因や経過によって異なります。慢性的に甲状腺の働きが低下している場合は長期の服用が必要ですが、一過性の機能低下やヨウ素過剰が関係している場合は、主治医の判断で減量や中止を検討できることもあります。妊娠中は甲状腺ホルモンの必要量が増えるため、自己判断で中断せず、早めに主治医へ相談してください。定期的な受診と血液検査を続け、自分に合った用量を守ることが大切です。
参考文献
『慢性甲状腺炎(橋本病)の診断ガイドライン』(日本甲状腺学会)
『橋本病(慢性甲状腺炎)』(日本内分泌学会)
『チラーヂンSは食前に服用したほうがよいのか?』(福岡県薬剤師会)
『Guidelines for the Treatment of Hypothyroidism: Prepared by the American Thyroid Association Task Force on Thyroid Hormone Replacement』(Thyroid)
『妊娠と橋本病』(国立成育医療研究センター)
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