人間ドックの費用は検査項目が増えるほど高くなり、同じような検査内容でも医療機関によって1.5〜3倍の金額差が生じる場合があります。コースは主に半日・1日・2日の3種類で、半日は血液検査や胸部X線など基本的な項目が中心、1日は内視鏡検査やCT、2日は頭部MRIや大腸内視鏡などの精密検査まで組み合わせて全身を調べます。初めてで自覚症状がない場合は、半日または1日コースから始めるのが一般的です。時間の長さだけでなく、検査項目の内容と金額の両面からの検討が欠かせません。それぞれの検査の流れと選び方について、久里浜横井クリニックの横井先生に聞きました。

監修医師:
横井 英人(久里浜横井クリニック)
2011年川崎医科大学医学部卒業。2013年横浜市立大学救急医学教室入局。横浜市立大学附属市民総合医療センター、帝京大学医学部附属病院、横浜医療センター、済生会横浜市南部病院、長崎県対馬病院、横須賀共済病院などを経て現職。日本外科学会外科専門医、日本救急医学会救急科専門医、医学博士(救急医学)。2024年東京ノービス大会マスターズ第2位。
人間ドック、半日や1日、2日は何が違うのか
編集部
人間ドックには半日、1日、2日コースがありますが、何が違うのですか?
横井先生
主な違いは検査項目の数と精密さです。半日コースは基本的な血液検査、尿検査、胸部X線(レントゲン)、心電図、腹部超音波(エコー)など、一般的な健康状態を把握する内容が中心です。1日コースは半日コースの項目に内視鏡検査やCTなどが加わります。2日コースはさらに専門的な精密検査が組み合わされ、より詳しく全身を調べます。
編集部
半日コースだと、やはり検査項目も限られるのですか?
横井先生
半日コースは検査項目が限られると一般的には考えられています。ただし、医療機関によっては短時間で内視鏡検査からMRI検査まで、コンパクトに行う施設もあります。人間ドックでコースを選ぶ際は時間の長さだけでなく、検査項目の内容も確認しましょう。
編集部
検査の項目数が多いほどよいのでしょうか?
横井先生
受検者全員にすべての検査が必要というわけではありません。年齢、既往歴、家族歴、生活習慣によって適した内容は異なります。目的に合った検査項目を選ぶ必要があります。
編集部
人間ドックの検査項目が増えると料金も高くなるのですか?
横井先生
まず、人間ドックは自由診療となるため、全額自己負担となります。その上で、検査項目が増えるほど費用は高くなります。半日コースは比較的受けやすい価格帯です。一方、1日や2日コースは内視鏡やCT、MRIなどが含まれるため費用が上がります。そのため、会社の補助や保険の適用範囲も確認しておくとよいでしょう。
編集部
同じような検査項目でも、医療機関によって金額が異なる場合もあるようですが。
横井先生
都市部と地方の医療機関では、1.5〜3倍の金額差が生じる場合もあります。検査の内容は同じでも病院の設備によって金額が異なる場合は多いため、「どこで人間ドックを受けるか」を考える際は、内容と金額の両面から検討してください。
編集部
初めての場合、どのコースがおすすめですか?
横井先生
初めての人で自覚症状がない場合は、半日または1日コースから始めるのが一般的です。過去の健診で異常や生活習慣病を指摘された人、家族に重大な病気の既往がある人は、より詳しい検査を検討してもよいでしょう。
それぞれの検査の流れは
編集部
半日コースの流れを教えてください。
横井先生
受付後、着替えを済ませてから問診票の確認と血圧測定、採血、尿検査などが行われます。その後、胸部X線や心電図、腹部超音波などの画像検査を受けます。基本的な検査のみであれば所要時間は3〜4時間で、午前中にスタートし、昼ごろに終了するケースが多いと思います。場合によっては内視鏡検査やがんの検査などが加わります。結果説明は当日簡単に行われる場合と、後日郵送される場合があります。
編集部
1日コースでは何が追加されますか?
横井先生
1日コースでは、胃の内視鏡検査やCT検査などが追加される場合が多く、より詳しい評価が可能です。検査の間に待ち時間が発生する場合もあり、昼食が提供される施設もあります。所要時間は長くなりますが、1日で幅広い項目を確認できる点が特徴です。
編集部
2日コースの特徴は何ですか?
横井先生
2日コースは宿泊を伴う場合もあり、頭部MRIや胃・大腸内視鏡などの精密検査や専門検査を組み合わせて全身をより詳細に調べます。1日目に基本検査、2日目に精密検査を行うケースが多く、時間に余裕をもって受けられる点がメリットです。
編集部
内視鏡検査はどのコースに含まれますか?
横井先生
施設によりますが、胃や大腸の内視鏡は1日以上のコースに含まれる場合が多いと思います。とくに大腸内視鏡検査は腸をきれいにする前処置が必要なため、2日コースの2日目に行われる傾向にあります。
編集部
そうなると、1日目の夜と2日目の朝に下剤を服用するということですか?
横井先生
はい。泊まりがけで人間ドックを受ける場合は、前日の寝る前と当日の朝に下剤を服用し、腸をきれいにしてから検査に臨みます。また、下剤が苦手な人には、鼻から管を入れて下剤を投与する方法もあります。初めて大腸内視鏡検査を受ける人や下剤が苦手な人は、安心できるかもしれません。

