男手ひとつで私を育ててくれた父が、50代で糖尿病と診断され、人工透析を受ける生活になりました。これは、父親をみとるまでの介護体験談です。
足を切断した父
父は、何とか定年まで勤め上げたものの、60歳を過ぎて足に壊疽(えそ:体の組織が血流不足や感染などによって壊死した状態)が見つかり、切断することに。私は実家のある地方都市に戻り、父と同居して介護を始めました。
父の頭はしっかりしていたので、おむつ交換や入浴介助を嫌がりました。でも私は「赤ちゃんのころにお父さんがしてくれたことを、今度は俺がする番だよ」と言って、何とか納得してもらっていました。
父らしい最期
しかし、1年もたつと私も疲れがたまり、そろそろ施設の力を借りようと考えるように。車で2時間ほど離れた郊外にある施設の見学予約を入れた矢先のことでした。
翌朝、父はベッドの中で静かに息を引き取っていました。身内以外の人と暮らすことに抵抗を見せていた父らしい、穏やかな最期でした。

