受診の目安は? 治療法は?
編集部
どのようなときに受診すべきでしょうか?
宮竹先生
足のつりやむくみが何度も続く、日に日に強くなる、両足に出る、だるさや食欲低下、黄疸、尿が濃い茶色に見える、かゆみ、急激な体重増加、おなかの張りを伴う場合は受診をおすすめします。特に、お酒をよく飲む人、脂肪肝や肝機能異常を指摘されたことがある人は、早めの相談が大切です。まずは内科や消化器内科、肝臓内科で相談し、必要に応じて血液検査や腹部超音波検査などで原因を調べましょう。
編集部
急いで受診したほうがよい症状はありますか?
宮竹先生
あります。血を吐く、便が真っ黒になる、急にぼんやりする、会話がかみ合わない、強い眠気が出る、息苦しい、おなかが急に強く張るといった症状は、急ぎの受診が必要です。こうした症状は、肝臓病がかなり進んでいるときの合併症で見られることがあります。「むくみがあるだけ」と思っていても、こうした危険なサインが重なったときは、すぐに医療機関へ連絡するようにしましょう。
編集部
治療はどのように行うのでしょうか?
宮竹先生
治療は原因によって異なります。脂肪肝なら体重管理や食事、運動習慣の見直し、アルコール性肝障害なら禁酒が基本になります。肝硬変でむくみがある場合には、塩分制限や利尿薬(尿の量を増やして余分な水分を出す薬)を使うことがあります。また、ウイルス性肝炎なら抗ウイルス治療、胆汁うっ滞性の病気(胆汁の流れが滞る病気)ならそれに応じた薬が必要です。つまり、「むくみを取る」だけでなく、背景にある肝臓病そのものを治療することが大切です。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
宮竹先生
肝臓はとても我慢強い臓器です。私たちの体を支えるために、日々黙々と働き続けています。肝臓の果たす役割があまりにも多いため、いまだに人工肝臓を作ることはできていません。足がつる、むくむ、疲れやすいといった比較的軽い症状は、そんな肝臓からの「何とかしてほしい」という確かなSOSかもしれません。医療機関で検査を受けて、仮に肝硬変であったとしても、早期に見つかった場合は適切な治療によって改善が得られることが多いと考えます。黄疸、体重増加、おなかの張りなどのより重い症状で受診した場合は、肝硬変が進行している可能性もあります。自分の体と肝臓を守るために、肝臓からのSOSを逃さずに行動することが大切です。
編集部まとめ
足のつりやむくみは、脱水や腎臓・心臓の病気などでも起こりますが、肝臓の障害が進んだサインとして表れることもあります。肝臓で作られるアルブミンが減ると血管の中に水分をとどめにくくなり、肝硬変まで進むと足だけでなくおなかや胸にも水がたまることがあります。症状が何度も続く、日に日に強くなる、黄疸やおなかの張りを伴うといった変化があれば、内科や消化器内科、肝臓内科で早めに相談しましょう。

