「姥捨山に捨てられる」
入院から1カ月。歩行器を使って院内を歩ける状態まで回復した祖母の姿を見送り面会室を後にしようとしていたところを、病院のケアマネジャーから呼び止められました。祖母の退院後の「次の段階」についての相談でした。骨折が再発する恐れがあるため退院後も今まで通りの1人暮らしは難しいという医師からの見解と、在宅介護はできないという私たち家族の意見が考慮され、近くにある介護老人福祉施設に一時入所が決まりました。その旨を祖母に伝えると、「病院から追い出されて、姥捨山(うばすてやま)に捨てられる」と激怒。
昭和一桁生まれの祖母にとって「親の面倒は子が見るのが当たり前」の世代であり、施設は精神障害者が入るところという古い固定観念が今も強く残っている様子でした。「施設入所」という言葉が、高齢の母親を置き去りにする「姥捨山」の物語と重なったのでしょう。
もちろん今の高齢者支援施設はまったくの別物です。広い施設は開放的で明るく、日々の運動やゲームはもちろん、季節ごとのイベントを企画するなど入居者を飽きさせず孤立させない配慮があります。病院のケアマネジャーの協力のもと、施設パンフレットを見せながら全力で祖母に入所のメリットを力説しました。
まとめ
その後、病院を退院したその足で施設に入所する日が、1週間後に決まりました。医師や施設の方は、頑張ってリハビリを行って自宅復帰を目指そうと言ってくれています。ですが、実際問題、祖母が再び家に帰ってきて、今まで通りの日常生活を送れるのでしょうか。どの選択が祖母にとって最良なのかわからないまま、入所に向けて指示された荷物の準備をしています。家主が不在の家はあまりにも静かです。
監修/菊池大和先生(医療法人ONE きくち総合診療クリニック 理事長・院長)
地域密着の総合診療かかりつけ医として、内科から整形外科、アレルギー科や心療内科など、ほぼすべての診療科目を扱っている。日本の医療体制や課題についての書籍出版もしている。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
著者:舘岡みつき/40代女性・会社員
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年7月)
※一部、AI生成画像を使用しています。
著者/シニアカレンダー編集部
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