「高血圧」と言われた人は要注意? 大腸がんリスクが1.15倍――国内約20万人のデータを医師が解説

「高血圧」と言われた人は要注意? 大腸がんリスクが1.15倍――国内約20万人のデータを医師が解説

「血圧が高め」と言われても、つい「まだ大丈夫」と放置していませんか? 実は近年、静岡社会健康医学大学院大学の研究グループが高血圧と大腸がんの関係を示す研究結果を報告しました。同研究グループによると、静岡県の医療データを用いた大規模な調査で、高血圧の人は正常血圧の人に比べて大腸がんを発症するリスクがやや高い可能性があると分かったそうです。この内容について前島先生に伺いました。

前島 拓

監修医師:
前島 拓(医師)

日本外科学会認定外科専門医
日本消化器外科学会認定消化器外科専門医
日本内視鏡外科学会技術認定医
日本がん治療認定医機構認定がん治療認定医

研究グループが発表した内容とは?

編集部

静岡社会健康医学大学院大学の研究員らが発表した内容を教えてください。

前島先生

静岡社会健康医学大学院大学の研究員らは、県内の医療保険データと健診データを用いた研究で、高血圧の人は正常血圧の人に比べて大腸がんになりやすい傾向があり、そのリスクは約1.15倍だったと発表しました。研究では、降圧薬を使っていない正常血圧の人(約11万人)と高血圧の人(約8万5000人)を対象に、背景をそろえて比較する統計手法(傾向スコアマッチング)を用いて、平均4年ほどの追跡期間中の大腸がんの発生率を比較しました。この傾向は特に男性で、また降圧薬を使っている人では女性で見られました。一方、生まれつきの体質による血圧の上がりやすさ(遺伝的リスク)を、別の追跡調査データを用いて調べたところ、大腸がんとの明確な関連は見られませんでした。この食い違いから、高血圧と大腸がんの両方に関わる、まだ知られていない生活習慣や環境の影響がある可能性が考えられます。

大腸がんの発生要因・予防法とは?

編集部

今回のテーマに関連する、大腸がんの発生要因・予防法について教えてください。

前島先生

大腸がんの発生には、喫煙、飲酒、肥満、高身長といった生活習慣が関わっているとされ、女性では加工肉や赤肉の摂取も危険性を高める可能性があります。また炎症性腸疾患や、家族性大腸腺腫症・リンチ症候群などの家族歴も発生の危険性を高めるとされています。予防には禁煙や節酒、バランスのよい食事、適度な運動、適正な体重の維持が効果的で、特に運動はほぼ確実に有効とされています。がん検診は40歳以上を対象に年1回、問診と便潜血検査で行われ、「要精密検査」となれば大腸内視鏡検査などを受けます。便に血が混じるなど気になる症状があれば、検診を待たず早めに医療機関を受診しましょう。日頃から生活習慣を見直し、毎年がん検診を受けてください。
配信元: Medical DOC

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